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大切だから
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「蛍汰とは最初がアレだったし..何ていうか友だちってわけじゃなくて、でもただのルームメイトってわけでもなくて..俺の中ではそこら辺の整理がまだちゃんと出来てなくて..」
蛍汰のこと嫌いじゃないし、多分普通に好きなんだと思うけど、そういう好意を向けられてもどうしていいのかよく分からない。
必死に少しずつ言葉を紡いでいく優真。
俯いてしまっているから、その表情は分からないけど、ぎゅっと俺の服の袖を握る手から彼の思いが流れ込んでる気がした。
今は、それだけで十分だ。
「すぐに答えが欲しいわけじゃないから大丈夫。まずは、俺の気持ちを知ってもらいたかっただけ」
今は、優真の隣に居られれば大丈夫。
「だからね、しばらくは色々我慢しようと思ってるんだ」
「が、まん?」
「そう。まぁ、色々って言ってもセックスくらいなんだけどね」
「セッ...っ、..っ」
元の色を取り戻していた彼の頬が、再び薄く色づく。
「この前怒らしちゃったばかりだし、体目的って思われたくないし、優真をちゃんと大切にしたいんだ」
「..っ、よくそんなキザったらしい台詞が言えるよな!」
「き、キザったらしいかな?」
「聞いてるこっちが恥ずかしくなる!」
そう言って声を荒げる彼の頬は先ほどよりもずっと赤い。
こういうところが可愛いって、彼は気づいてないんだろうか。
「それに..、この前のことは別に蛍汰とそういうことするのが嫌だったわけじゃないし..」
「え?」
「い、いや..っ、やっぱり何でもない」
聞かなかったことにしてくれと、俺から目をそらす優真。
聞かなかったことになんて出来るわけがない。
「なぁに。ちゃんと話して」
「何でもない」
「優真。話して、ね?」
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