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side上尾 優真
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「優真、いこーぜ!」
はやくはやくと急かす巡の元へと走る俺。
蛍汰と別れた俺は教室に入り、
ホームルームが終わった途端、クラスメートのみんなは我先にと教室を出て行く。
向かう先はみんな一緒。
歓迎会の会場である体育館だ。
俺たちもと廊下に出てみれば、俺のクラスだけじゃなくどのクラスの生徒も体育館へとその足を急がせている。
(..みんなそんなに楽しみなんだ)
このあと始まる歓迎会がそんなに凄いものなのかと胸を躍らせて、俺たちも体育館へと向かった。
「噂じゃ結城先輩が出るって話だからな。みんなテンションも上がるよなー」
「え、蛍汰でるの?」
「なに優真しらねぇの?結城先輩から何も聞いてないわけ?」
「え、知らないよ」
知らないどころか、蛍汰は出ないものだとばかり。
だって、本人は出る気ないみたいだったし。
気が変わったのかな?
そんな事を思いながら体育館の中に用意された席に着く。
さすが新入生を迎える会なだけあって、一年は三学年の一番前の列に座るみたいだった。
いつもは体育館の一番後ろなのに。
「蛍汰が出るなら、二三年の先輩たちは前に来たいだろうなぁ」
昨日家の前にまで来た人みたいなすごく熱狂的な生徒も沢山いるんだろうし。
「一年は結城先輩に近づくことさえ出来ないからな!今日くらい一番近くで見たいっての!」
蛍汰が大好きな巡は、もう蛍汰のことしか頭にないんだろう。
キラキラと瞳を輝かせて、舞台の幕が上がるのを楽しみにしていた。
「..ふーん。そんなもんなんだな」
いつも一緒にいて、蛍汰がどんな人間か知っているせいか、俺にはよく分からないと心の中で呟いた。
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