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即、行動
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階段をのぼり壇上へあがれば、今日一番なんじゃないかと思うくらいの歓声に包まれた。
それは主に女子の甲高い声だけど、何となくそれさえ遠くに聞こえる。
壇上からでもしっかりとみえる昨日の女子生徒。
そして、俺の登場に驚いている優真。
今朝は出ないって言っていたのに俺がここにいるのが予想外なんだろうか。
この言葉はあくまでも優真に送るものだ。
心中で呟き、俺は優真を見つめたまま口を開く。
「新入生のみなさま、遅ればせながら皆様のご入学を心からお祝い申し上げます」
あまり堅苦しい挨拶になるのも何だろうか。
俺は、一度小さく咳払いをしてからもう一度マイクに手を添えた。
「今日は皆さんの前でこうやって話すことになるとは思っておらず、俺自身戸惑っています。何を話したらいいのか悩んでいますが、俺の心からの言葉を届けられればと思っています」
この場にいる新入生全員に向けた言葉ではないけれど、俺の口から出る言葉に嘘はない。
「ここにこうして顔を合わせていること、実はすごい奇跡なのではないかなと思います。まだ分からないことだらけで不安も多いとは思いますが、俺はいつでも隣にいるし声の届く場所にいます。」
この体育館中の生徒の中で、俺の言葉に違和感を覚える人は何人くらいいるんだろう。
さっきまでとは打って変わって、静かに俺の話に耳を傾けるみんな。
いい感じに勘違いしてくれてるかな?
そして俺は、優真に向けた言葉をつらつらと並べ続けたのだった。
「.....最後に、私事ながらみなさんにお願いがあります」
そして、ここからが本題だ。
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