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ぽろっと出てしまった言葉で、蛍汰の機嫌が見る見るうちに下がっていくのがわかった。
「付き合ってはないよ?」
随分とトゲのある言い方。
付き合って、は、ないよ。
するりと飲み込むには違和感が喉に刺さる。
「..蛍汰、お前。優真のこと好きなんか?」
恐る恐る、蛍汰の顔色を伺いながらそう問えば案の定..
「そうだよ。俺は優真が好きだ」
恥ずかしがるわけでもなく、躊躇する訳でもなくそう言ってのける。
そして、そのまま鋭い眼光でこっちを睨まれれば俺はもう動けへんようになる。
「だから、今臨在優真に変なことしないでね」
「へ、へんなこと..?」
「必要以上に近づくな、触るな、嫌がることをするな」
「っ、」
まるで蛇に睨まれたカエル。
優真はこんな恐ろしい男に好かれたんか。
「...まさか、優真のこと好きなんて言わないよね?」
「いやいやいやいや!ないないない!無いからそんな睨むなや!怖いわ」
変な誤解されたらたまらんと、全力で首を手を横にふる。
確かに優真はいい子だけど、そんなぽっちで好きになんてなったりしない。
「そう。好きになったら殺すから」
そういった蛍汰の目は、容赦のない本気の目やった。
理人は、蛍汰が人間らしくなったとか言ってたけど..。
確かに、誰かを好きになるってことは蛍汰にとってはいい傾向かもしれんけど...。
(...優真にとっては地獄とちゃうんか?)
あまりにも熱い片思いに、そう思わざるおえなかった。
蛍汰の片思いにはびっくりしたけど、今回は恋話するために呼んだんじゃないと逸れていた話を元に戻す。
「..ま、まぁ今回のことはお互い様でチャラにしたるけどあんま目立つことすんなや?」
目立つ分だけ、それを悪く捉える輩がおる。
そのはけ口は蛍汰じゃなくて優真なのだから。
「..今回は目立っていいんだよ」
「え」
「俺が守ってあげられるからね」
まさか、生きていて蛍汰の口から誰かを守るなんて言葉聞く日がくるとは思ってなかった。
そんだけ、蛍汰は本気なんや。
本気で優真のことが好きなんや。
そう思ったら、やっぱり少しだけ嬉しくなった。
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