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慎也の平日1
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ーーーー俺の朝は早いーーーー
5時に起きてまず身支度をする。
そして朝ごはんを作る。
前は父が単身赴任で1人だけ遠くに住んでいたのだが、俺が高校生になると同時に母は父のところへ行った。
だから俺は兄さんと二人でこの家に住んでいて、家事は俺の希望で全部俺がしている。
朝ごはんを作ったら、兄さんを起こしにいく。
昔から朝に弱くて、起きられないから起こしてほしい と兄さんに頼まれているからだ。
もはや、兄さんを起こすのは俺の一日の楽しみの一つだと言っても過言ではない。
キッチンから出て階段を上がり、兄さんの部屋に入る。
俺はカーテンをガバッと開けた。
ふと目をやると、もう5月だというのに、まだ毛布にくるまって寝ている。なんだか小動物みたいで可愛らしい。
起こすにはまず毛布を引っぺがす。
それでも何事もなかったように普通に寝続けるのを見て、無性にイタズラしたくなる。
したら歯止めが聞かなくなりそうだから、あんまりしないんだけどね。
「兄さん…起きて…」
俺は兄さんのベットに座り、兄さんに覆いかぶさるようにして、顔を近づけて耳元でそう囁く。
柔らかくて金に近い茶髪が 朝日を受けてキラキラと輝いているように見えた。
嗚呼、天使はここにいる。
「ん……っ」
囁いたのが耳の近くだったからか、兄さんがピクっと反応した。
俺は込み上げてくるモノを抑えて、兄さんを起こし続けた。
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