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やつの想い5
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ガクガクと身体を揺さぶられる感覚で、目が覚めた。
視界に入って来たのは見慣れた天井と
「慎也………おい、慎也………?……ッ、慎也‼︎‼︎大丈夫か?」
えらく心配そうな顔をした、大嫌いな奴だった。
「…………?」
なんでそんな心配そうな顔をしてるんだ?
俺が体調悪いのなんか万々歳だろうに。
「よかった、生きてる………よかった……」
思い切り抱きしめられて耳元で、よかった、と連呼される。
気持ち悪くて押し退けようとするが力が入らない、悔しい。
頼むからちゃんとしたところで寝てくれ、と言われ動こうとするものの出来ない。
そんな俺を見兼ねたのか
「……運んでやるから、大人しくしろよ。」
と腕を伸ばしてきた。
それは避けたいと身体を捩るも、それすら叶わず軽々と持ち上げられてしまった。
「……ッ」
やめろと反抗しても全く力が入っていないのだろう、こいつはビクともしない。
挙げ句の果てには
「お姫様抱っこしても文句言わないなんて、よっぽどしんどいんだな………」
なんて言われる始末。
お望みならと文句を言おうとすると、ちょうどベッド着いて、ストンと降ろされた。
「風邪薬買ってきたから、飲んで。」
水と一緒に手渡される。
薬か、粉末は嫌いなんだよな……………
「そっか、動けないよな…」
俺が飲まないのをそう解釈したのか、近くに置いてあった袋からペットボトルと箱を取り出して、口に水と薬を含んで近づいてくる。
ま、待て、まさか。
顔が近い、やめろ、顔が当たる。
願い虚しく、舌をねじこまれ、薬を流し込まれる。
「……ん、ふ…ぅ………ぁ…」
薬苦い………
じゃない!今のは避けられただろ、俺………
「顔真っ赤、可愛い…」
俺が抵抗しないのを良いことに、何回も繰り返し水を飲ませてくるコイツを見て俺は
こんな漫画とかドラマみたいなことをリアルにする人間がいるんだなあ、と思った。
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