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閑話;俺の弟2〜浩也視点〜
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大丈夫かな。
『慎也が体調崩して早退しました。早めに帰ってあげてください。』
圭吾君からそんなLINEが来ていたのに気付いたのがついさっきのこと。
慎也が体調悪いとか珍しい。
1人で家にいるんじゃ心細いだろうな……
このLINEが来て、10時間くらい経ってる……
早く帰らないと……。
いつもは店長とお茶してから帰るんだけど、慎也が体調悪いなら、そんな暇はない。
「店長!慎也、…えっと、弟が、体調崩したって、俺に出来ることって何だと思います?」
慎也が体調悪いなんて、俺の記憶にある限りでは初めてだ。
慎也は、俺に弱ってるところを見せない。
「あのイケメンな弟くんか、やっぱり、風邪薬とか熱さまシートとか買って帰って、お粥作ってあげるのが定番なんじゃない?」
やっぱり初めてなんだから、定番からチャレンジしないとね!!
「そうですよね!じゃあそうします!ありがとうございます、店長、お疲れ様でしたー!!!」
俺はそう言って急いで店を出た。
久しぶりにスーパーなんて寄って、看病に必要そうなものを買い込んだ。
初めての慎也の看病!!!
不謹慎かもしれないけど、ちょっとワクワクしてる。
「ただいまー」
あれ?靴多い、誰かいるのかな?
…食べ物のいい匂い。
リビングに人がいる。
後ろ姿を確認した。
やっぱり、優兄か………
そうだろうとは思ってたけど……
「………優兄、なにしてるの?」
リビングの外から声をかける。
「慎也が早退したから看病してる。薬も飲ませたし、明日の朝用のお粥も作ったから、浩也は特にすることないんじゃない?」
なんで、俺がしようと思ってたのに。ずるい。
「………そう……」
俺も看病したかった…………
慎也は俺に、弱ってるところを、見せてくれない。
なんで、俺には、駄目なの。慎也。
「まあ俺はもう帰るから、あとは面倒みてあげて。」
優兄がリビングから玄関に出てきた。
外着を着だした優兄、動くたびにふわりと香水の香りが漂う。
ペンハリガンのブレナム ブーケ、俺の中ではもっと大人がつけてるイメージだったけど、よく似合っているしつけ方も上品だ。
やっぱりいい香りだ。でも、俺、これ割と好きだったのに、何だか苦手になっちゃったなあ……
「優兄、帰るの?」
俺が帰って来た途端、出て行くなんて、悪意ある!
よそ行きの服装になった優兄は、いつもの笑みを消して答える。
「もう大丈夫だろうし、俺と浩也が慎也のいないところで2人きりなのは、慎也がすごく嫌がるから。」
慎也が嫌がる……?どうして?
それにしても、いつも思うけど……
「優兄って、ほんと慎也のこと考えてるよね。なんで面と向かって優しくしてあげないの?」
慎也のこと大好きなくせに!!優しいところを見せないから嫌われるんだ!!
「………慎也に優しくしたって、慎也に群れてる人間のうちの1人にしかなれないだろ?」
優兄はちょっと考えてから答えた。
「優兄、そんなこと……」
そんなこと、考えてたなんて、知らなかった。
優兄は慎也の特別になりたい……?
それは昔からの知り合いっていうのではダメなの?
「浩也も考えておいた方がいいよ、いつ慎也に飽きられるかわからないんだし。じゃ、また明日くる。」
パタンとドアが閉まる。
俺は静かな空間に1人で閉じ込められたような気持ちになって、色んなことを考えた。
慎也と俺は兄弟で、飽きるとかそんな関係じゃない。
優兄とは違う。
あれ、
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