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柊君の顔、こんな近くで
しかもはっきり見えちゃうとか…
ほんとのほんとに恥ずかしすぎるんだってば…!
「榊…ほら。」
また、目を閉じてくれる柊君は
やっぱり綺麗で困る。
しかも今度は僕のこめかみを押さえる両手つきだ。
でも、ぐって引き寄せてくれるんじゃなく
支えるだけ。
それは、僕からのキスを…待っていてくれるわけで。
「……大好きすぎて…おかしくなる、もう…。」
唇を重ねる瞬間
頭の中で並べた文字が口に出てしまったことは
聞かなかったことにして欲しい。
微かに触れた柔い感触を
確かに確認すれば
その気持ちよさに頭は真っ白になった。
洋画で見るような、変な音を立てるようなものではない
触れるだけのその行為。
それだけで、どこまでも
幸せで満ちた──。
はず、だったのにっ、ねえっ。
「ん、んんぅ〜〜っ!!」
頭、押さえられて全然動けない!
柊君力強すぎ…っ!
「ん…ぷはっ。…ひい、ら…君……ひど…っ!」
ひど「い」…と、言いかけた声は
最後まで紡がれることはなかった。
代わりに
触れてしまった、唇とは違う部位。
視界に入らない位置だから
間違いかもしれないけど
柊君の僕を見る表情からして
この、酷く照れたような、そしてそれを頑張って隠すような表情からして
疑惑は確信に変わる。
「柊君…、た、たって…。」
「俺だけじゃないけど?」
「!!」
グッと腰を持ち上げた柊君は
同じく反応を示す僕の中心に、柊君のを当てた。
「…榊、挿れたい?それとも…一緒に扱くだけにする?」
「ま…またそういう事、い、ぅ……。」
なんて、照れ隠し。
柊君の顔を見ればわかる。
恥ずかしいのは僕も、柊君も同じ。
でも、僕は恥ずかしいとか、緊張するとかそれだけだ。
柊君は、きっと痛いんだろうし
少なからず、恐怖を思わせるような
初めてみる、柊君の弱々しい微笑み。
「僕、は……。」
柊君の無理やりの笑顔を見ていられなくて、
ギュッと目を瞑った。
柊君の事を想うのなら
どちらが正解だろう。
柊君の身体の為に選ぶなら
いや、柊君の覚悟を蔑ろにしない選択は
「……れたい、です…。
教えてくれなきゃ…わかんない、けど…でも…。」
薄く目を開けると
少しずつ鮮明になっていく景色の中に
ちらりと八重歯の覗く
可愛くて、格好良くて、色気までも感じられる、大好きな人の幸せそうな笑顔がそこにあった。
「…じゃあまずは服、脱がせて?
俺もちゃんと…脱がせてあげる。」
「………ん、。」
震えを抑えきらない手で
柊君のベルトに触れた。
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