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正体②
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白衣を着た男は予想外に日本語で話した。
まさか日本語が分かると思ってなかったケイは暴言を吐いた事で何かされるのではと焦った。
しかしこの男、よく見るとネズミの獣人ではないか。
尻尾が普通のネズミと違い、太くて気持ち悪い。
まるでミミズが大きくなったように見える。
「以前異世界からやって来たニンゲンがいたが、君はニンゲンでは無く"ギャペラ"だ。
やはり何処かに異世界へ繋がる扉が存在するのだろう」
「ギャペラ……?」
聞き慣れぬ単語にケイは首を傾げる。
「ギャペラとはニンゲンがケモノと呼ぶ身体を持つ我々の呼称だ」
ケイが獣人と呼んでいた彼等は実はギャペラと呼ばれる。
人とは違い身体能力が高く、寿命がおよそ500年と長寿である。
そして彼はケイを人では無くギャペラだと言うではないか。
「俺がギャペラ?
人間じゃないってどう言うとこだ?」
「どう言う事とは自信の体を見れば明らかではないか」
「けど、向こうでは俺は普通の人間だった。
こっちに来てから耳とは尻尾が生えてきたんだぞ?」
そう、ケイは日本にいたときはごく普通の白人だった。
「ほう、それはまた興味深い。
研究者としてこれ程の研究対象がいるだろうか?
それに君はギャペラでも稀な存在だ」
「稀?」
ケイの質問にネズミのギャペラはニヤリと笑った。
「知りたければ着いてこい。
君の知らないこと、全て教えてやる」
そう言うとその他の白衣を着たギャペラがケイの両脇を抱え、何処かへと連れていく。
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