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プロローグ《5》
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わざとらしくガチャリと鍵をかける音が聞こえ、思わず舌打ちをする。
持っていた鍵を鍵穴に差し、さっさと扉を開けることにした。
「え? ちょ、は!?」
扉を開けると、中に入ってくるとは予想していなかったのか、金髪は驚いた顔で固まった。後ろ手に部屋の鍵を閉め、ズカズカと部屋に入り込み、入ってすぐにあるベッドに金髪を押し倒す。
「何すんだよ‼︎」
ギャーギャーと喚く金髪の口を手で塞ぎ、腹の上に馬乗りになって、もう一方の手で金髪の両手を頭の上に押さえつけた。
「うるさい」
「ッ………」
眉間にシワを寄せながら静かに一喝すると、途端に金髪の身体が強ばる。その目には明らかに動揺と怯えが浮かんでいた。
金髪が大人しくなったのを確認し、早々に押さえつけていた手を離してやる。
「……落ち着け。俺はお前と同じオメガだ。お前を犯すつもりはない」
「オメガ……?」
金髪は小さく繰り返すと、少しだけ身体から力を抜いたようだった。
ふぅ……と息を吐いて、馬乗りになっていた身体の上から退いてやる。
「そんだけ怯えてちゃ、自分はレイプされましたって言ってるようなもんだな」
ベッドに腰掛けながら、後ろ手に肘をついて上体を起こした金髪に視線をやる。金髪は図星を突かれたらしく、苦虫を噛み潰したような顔をした。
「俺はレイ。ここでボーイをやってる。あとは、オーナーの手伝いとか……まぁ色々」
説明するのが面倒で、ざっくりと自己紹介をする。
金髪はまだ警戒しているようだったが、しばらく間をあけて「……リトです」と返事をした。
「リト、なんでオーナーに本当のことを話さなかったんだ?」
「え……」
そんなことを言われると思っていなかったらしく、リトが戸惑いの声をあげる。
「誰が見ても、あの部屋を見たらレイプされたんだってわかるだろ」
リトはしばらく黙っていたが、やがて恐る恐るという風に話し始めた。
「……俺、こういうとこで働くの初めてで、問題起こしたら……クビになると思って……」
俺の反応を伺いながら、チラチラとこちらを見て辿々《たどたど》しく言葉を紡ぐ。
「ふ、ふぇら? とか正直あんまりよくわかってなくて……。どうしたらお客さんのこと満足させられるのかなって考えてたら、お客さんが……」
「『俺が教えてあげる』って?」
「は、はい……」
リトの話を聞いて、我ながら大きなため息が出た。
「それでヤり逃げされてたら意味ないだろうが。」
思わず厳しい口調になると、リトはビクリと肩を震わせた。
「す、すみません」とわかりやすく眉を下げるのを見て、何だか犬みたいなやつだなと思った。
ベッドの上で正座するリトに近づいて、その頬に手をのばす。触れる直前、リトが怯えたのがわかった。
当然だ。こんなガキが、ついさっき自分よりも力の強い相手に組み敷かれてレイプされたんだから。
「大丈夫」
安心させるように頬を撫で、泣いたのか赤く充血している瞳をのぞき込む。そのまま目を見開いて固まるリトの口に、静かに口付けた。瞬間、リトの肩が跳ね、逃げようと後退る。
頬に添えていた手をそのまま後頭部へと滑らせ、リトの反応を伺いながら、逃さずに口付けを続けた。何度も角度を変え、チュッと触れるだけの軽いキスを繰り返していく。
やがて、リトの手のひらが抵抗するように俺の胸を押す。わざと一度唇を離すと、油断したのか「ぁ…」と薄く唇が開いた。その隙を見逃さずにもう一度キスをし、素早く舌を滑り込ませる。
「んっ……⁉︎ ッんぅ……」
驚いて後ろに下がろうとするリトの口内をさっきよりも深く、ねっとりと舐め回す。
始めは浅く、歯の羅列をなぞるように。上顎をくすぐれば、奥に縮こまっていた舌が俺の舌を押し返そうと出てきた。その舌を絡め取りながら吸いあげると、リトの口から苦しそうな吐息が漏れ出る。
「ぅぁ…んっ、ぃや……」
ビクビクと身体を跳ねらせるリトをゆっくりと優しく押し倒す。何が起きているのかわからないのか、俺の胸に突っ張っていた手が、いつの間にかしがみつく形に変わっていた。
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