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第一章「快楽の香り」《5》
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「ああッ、…! ンぁッ…!」
熱いモノが、みっちりとナカを埋めつくす。ゆっくりピストンを始める矢野さんの動きに合わせて、止めどなく喘ぎ声が押し出された。
「ぁっ、ン、んぅ…っあ、」
首元まで真っ赤に染めたリトの視線が、逸らされることなく快感に喘ぐ俺を見上げてくる。
まるで自分が犯されているかのように呼吸を荒くするリトに、何とも言えない背徳感がゾクゾクと込み上げた。
背筋を駆ける快感が堪らない。
ベッドに突っ張っていた手から段々と力が抜けていき、抱きつくようにリトの肩に顎を乗せ、その耳元で嬌声を奏でる。
「んあッ、…ァあ、きもちッ…ぃ」
ズブッズブッと卑猥な水音を立てながら、後孔を何度も性器が出入りする。そのたびに荒くなる呼吸を隠すことなくリトに向かって吐き出した。
「あっ、アッ、んッ、うぁ……」
強弱をつけ、時々突きあげる角度を変えながら、快感が俺を責め立てる。
徐々にその動きは早くなり、矢野さんの限界も俺の絶頂も近づいていく。途絶えることなく与えられる刺激に、目の前がチカチカと光った。
部屋の中を自分の香りが満たしているのがわかる。
同じΩであるリトにもわかるのだろうか。
俺の匂い。俺の浅ましい快楽の香り。
喘ぎ声に邪魔されて何も言葉を紡げないまま、最奥に放たれた熱の感覚に一緒になって精を吐き出した。
ボタボタとリトの服に俺の精液がかかる。顔を上げれば、うっとりと潤んだ目に口を開けて放心するリトがいて、思わずその唇にキスをした。
ベッドでうずくまって動かないリトを放置し、風呂場に移動して矢野さんと再び行為に耽《ふけ》る。
壁に手を付き、立ったまま後ろから突き上げられ、その度に跳ねた先走りが壁を汚した。
先程よりも深く刺さった性器が、奥深くのイイトコロをゴリゴリと抉ってくる。
「はっ、ァあっ、イくッ」
迫り来る快感に抗うことなく射精すれば、ナカの締めつけに応えるように再び熱を注がれた。
シャワーを浴びてから部屋へ戻ると、そこにリトの姿はなかった。
「レイがいじめるからだよ」
責めるように言う矢野さんにべーっと小さく舌を出すと、揶揄《からか》うようにキスをされた。
いつものように玄関ホールまで矢野さんを見送る。
「ありがとう、刺激的で楽しかったよ。これ、あの子に」
別れ際に矢野さんはそう言うと、「お詫び」と俺の尻を触りながら、ズボンの後ろポケットに万札を数枚押し込んだ。
「俺には?」と茶化してみせれば、やけに上機嫌に頬にキスをして帰っていった。
「どうだった?」
矢野さんが見えなくなると、受付からオーナーが声をかけてくる。
「んー…」
ありのままやったことを言うのは気が引けたので、「さぁ?」と誤魔化す。
「何だよ、教えろよ」
俺はオーナーとして知る権利がある!と駄々をこねるオーナーに、「素質はあるかもな」とテキトーに返した。
「さてと……」
深夜二時半を過ぎたエントランスで、一人あくびをする。今日はもう客の予約は入っていないし、飛び入りの指名を受ける気にもなれなかった。
程よい疲労感を感じながら、少し面倒に思いつつも、逃げ出した新人を追いかけることにした。
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