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第一章「快楽の香り」《8》
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「ンはっ、はっ、はッ、」
荒い呼吸を吐き、リトはぐったりと四肢をベッドの上に投げ出した。
それを横目に見つつ起き上がり、リトの足の間に腰を下ろす。力の抜けているリトの片足を持ち上げ、後孔がよく見えるようにその足を自分の肩に乗せた。
「な、なに……?」
リトが不安そうにこちらを見る。
「いいから。そのまま力抜いてろ」
戸惑ったように見てくる視線を無視して、ドロドロに濡れている後孔に躊躇いなく指を突き入れた。
「なッ、んで、…ぁぅッ、ひぁ…!」
グチュグチュと音をさせながら、ドロドロのソコを二本に増やした指でかき回す。イッたばかりでさっきよりも敏感になったそこを深く抉ると、悲鳴のような嬌声があがった。
「やめッ…、あぅッ…んン゛ッ」
ヌチヌチと指でナカを刺激しているうちに、奥からどぷッとこれまでの愛液とは明らかに粘度の違う白濁としたものが溢れ出す。
「発情期《ヒート》だな」
「ぇ、ッ……なに……?」
予想通りのソレをドロッと指先ですくい上げ、不安そうな顔をするリトに見せるように指の間で伸ばしてみる。一瞬で顔を強張らせるリトを見て、肩に担いでいた肩を静かにベッドに下ろした。
リトにキスをしているうちに、匂いに気づいた。
俺のモノとは違うΩの濃い香り。
ヒート前の敏感な状態だったならば、同じΩである俺のフェロモンにあてられたのも少しは納得がいく。本来、オメガ同士ではお互いに好きあってでもいない限り、発情なんてしないのだから。
客の前で発情しなくて良かった。
内心、そうホッとしていたが、当の本人はややパニックを起こし始めていた。
「なにッ……? なんで?」
「しー……落ち着け」
動揺してジタバタと暴れ出すリトを安心させるために、身体を抱き起こして背中に手を回す。
「おれ、どうしたのッ? なんで急にヒートなんてッ!」
「大丈夫だから、深呼吸してごらん」
息が慌ただしくなっていくリトを抱きしめ、頬にキスをする。口を近づけ、誘導するように呼吸を合わせた。
「はぁ、はぁっ、はぁ……」
「そう。それでいい」
リトは自分の心臓を手で押さえ、俺の胸にもたれかかりながら一生懸命呼吸を繰り返す。
今どきのΩは、抑制剤が普及していることもあり、本格的な発情期を経験すること自体少ない。
まして、図体だけは一丁前にデカいこの子どもは、突然の発情期に動揺を隠せない様子だった。
元々、性に疎いところがあるのかもしれないが、新しい環境になったばかりで、薬でのコントロールが上手くいかなかったんだろう。この感じだと、今までは軽い発情で済んでいたのかもしれない。
どんどんと増していくリトの匂いと、下腹部から流れ出る白濁の粘液。
リトが少し落ち着いたのを確認してから、そばを離れ部屋に備え付けられている救急箱を取り出した。中にはΩ用の緊急抑制剤が常備されている。
「リト」
再び呼吸を荒くするリトに薬と、勝手に冷蔵庫から取り出したペットボトルを手渡す。震える手で何とか薬を口に入れたはいいが、「は、は、」と過呼吸になりかけていて上手く飲み込めなかった。
口からボタボタと飲み損ねた水が零れ、シーツを濡らす。
「は、ぁ…は、はッ」
飲めないことに余計に焦り、呼吸はどんどん浅く詰まっていった。
仕方なくリトの手からペットボトルを奪い、その水を自分の口に含む。無理やり顔を上げさせ、震える唇に口付けた。
眉間にシワを寄せ、苦しそうな顔をしたリトの喉がゴクッと上下に動く。焦点の合わない瞳に気づいて、すぐに口を離した。
「はぁ、はぁ…はぁ…」
徐々に呼吸が落ち着き始める。
「レ、イさ……」
俺の名前を呼ぶと同時にグラッと身体が傾いて、リトは力尽きたように意識を手放してしまった。
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