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第一章「快楽の香り」《9》
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グチュグチュと水音を部屋の中に響かせながら、三本に増やした指が痙攣する肉壁にグッと締め付けられる。何度目になるかわからない絶頂を迎えたようだった。
途中から精液をダラダラとだらしなく流し続け、当の本人は意識がないままだ。
いつまでも溢れてくる粘度の高い愛液をドロドロと掻き出す。そのたびに身体がビクビクと跳ねるのを黙って見下ろした。
抑制剤が効き始めるまで、少しでも楽にしてやろうとただただ精を吐かせてやる。
自分で触ったこともないのか、後孔は経験がないのが見てわかった。客にレイプされ、処女を失ったばかりのソコは僅かに傷がついてしまっている。
「んぅ……」
何度目かの絶頂のあと、ようやく落ち着いたのかあどけない顔をして、スーッと寝息を立て始めた。あどけないリトの顔を見ていると、今更ながら悪いことをしている気になってくる。
「はぁ……」
思わずため息が出た。何だかどっと疲れた。どうにもこいつに関わると厄介事ばかりだ。
洗面所でタオルをお湯に浸し、固く絞る。簡単にリトの身体を清め、服を整えてやり、汚れたシーツを剥ぎ取った。当分起きる様子のない寝顔を見ていると、部屋に帰るのも面倒になってしまい、リトの隣に寝転んだ。
明け方。
冷えきった空気から逃げるように、いつものように身を縮めて眠る。外がわずかに明るくなってきた頃、ひんやりとしたものが足に絡みついてくる感覚で目が覚めた。
夢の縁を彷徨いながら目を開けると、毛布から抜け出たリトが寒さに震えながら足を絡めてきていた。
寝ぼけたままの頭で毛布を手繰り、グッと冷えたその体を引き寄せる。そのまま毛布ごと抱き込んでやると、リトは擦り寄るように身を寄せてきて、再び健やかな寝息を立て始めた。
ほんと、犬みたいなやつ……。
……温かい。
冬の寒さを煩《わずら》わしく思わない、珍しい朝だった。
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