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第四章「好きな香り」《1》
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【第四章:好きな香り】
──リトside──
深夜零時。
一人で眠るベッドは、昨日一日レイさんと一緒に過ごしていたせいか、何だか広くて心細かった。
まだここに来てから日は浅いけど、レイさんと一緒に過ごした時間があまりに濃くて、自分の置かれている状況も、レイプされたことも、あんまり悩んでる暇がなかった気がする。
静かな部屋の真っ暗な天井をボーッと見つめる。
今頃レイさんは、白川って人に抱かれているんだろう。そう思うとフツフツと自分でもよくわからない嫌な気持ちが湧いてくる。
何度も寝返りを打つながら、早く寝てしまおうと思うのに、布団が全然暖まらなくてなかなか寝付けなかった。
ここでの生活は、恵まれているし落ち着いている。
屋根も、布団も、食べ物も、オメガに必要な薬もある。
怖いことも多いけど、生きていられる環境が整ってる。それは両親が死んでから、ずっと一人で生きてきた俺にとって、とても凄いことだ。
だから、欲張るべきじゃない。
出しゃばるべきじゃない。
頭ではわかっているのに、心配で不安で、すぐにでもレイさんに会いたくて、胸が苦しくなる。
つい最近知り合ったばかりのくせに、何を生意気言ってんだってレイさんに怒られるかもしれない。
でも、あの人が俺を見る目は、優しくて温かくて、とても寂しそうだった。
俺は、レイさんのことが好きなんだろうか。
数時間前、イツキさんに言われた言葉を思い出す。
『リトくんはさ、レイのことどう思うの? 好き? 怖い?』
俺はそれに、「わからない」としか返せなかった。
人を好きになったことなんてなかったから。殴る人かそうでない人か、自分にとって害があるかないかで人を見てきた。
レイさんは、たしかに怖い。
凛とした目鼻立ちで、まるで精巧に作られた人形のように綺麗な顔。だから無表情だと怖いし、睨まれると身体がすくんで動けなくなってしまう。
でも、俺の前で眉間にシワを寄せて、心底おかしそうに笑ったあの人の顔は、人間味に溢れていて温かかった。
オメガだとか、フェロモンだとか、そういうのはまだよくわからない。だけど、レイさんが俺にとって特別な存在になりつつあるのは当たってるかもしれない。
結局、借金のこととか、発情期のこととか、フェラとかキスとか、色んなことが頭に浮かんで、ほとんど寝付けないまま時間だけが過ぎていった。
ようやく外が明るくなり始めた頃、うつらうつらと眠気がやってきたと思ったら、不意に下腹部の違和感に眠りを邪魔された。
「はぁ……マジか」
誰もいない部屋に自分の声が響いて消える。
自分の意志とは関係なく頭をもたげる自分のモノに、うんざりとため息を吐いた。恐らく夕食後に飲んだヒート抑制剤の効果が切れてしまったんだろう。
頭では仕方のない生理現象だとわかっていても、面倒でならない。無視しようと思って、また目を閉じたけど、どんどんと勝手に熱くなっていく下半身に諦めて手を伸ばした。
ゴロンっと横を向いて下着の中に手を入れると、既にソコは硬くなっていて濡れていた。
「ッ…ふ、…ぁ……」
ジクジクと疼く後孔に手を伸ばし、恐る恐る指を挿れてみる。
これまでにも一人で自分を慰めることはあったけど、こんなに敏感になっているのは初めてでヒートの力を思い知らされる。
ヌチッと水音を立てながら、簡単に指を飲み込むソコから、全身に電気が走るように快感が駆けた。
「ンぁ…ァッ、ぅ……」
歯をかみ締めても、強烈な刺激に喘ぐ声が止められない。少し指を出し入れしただけなのに、ゾクゾクとイッている時のような快感が起こる。
目をキツく閉じ、体を丸めるように縮こませながら、ビクビクと反応してしまう体を抑えた。反り返った亀頭から溢れ出す先走りが、下腹部を汚していく。
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