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第四章「好きな香り」《2》
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『俺はどうやってた?』
不意にレイさんの声が、匂いが、手の感触が蘇った。その瞬間、ゾクッとこれまでとは違う感覚がこみ上げて、ナカに入れた指がビクリと震えた。
レイさんは、どうやってた……?
レイさんにされた時のことを思い出し、試しにナカに入れていた指をお腹の方へ折り曲げてみる。すると、ある一点を触ったとき急にそれまでとは比べ物にならないほどの快感が背筋を駆け抜けた。
「ひぅッ……!」
触ってもいない性器から、少量の白濁が飛ぶ。
これダメなやつだ、バカんなるッ……。
慌てて入れていた指を引き抜き、後ろへの刺激をやめた。ソコを触るのが怖くなって、代わりに恐る恐る性器を握り込む。
「あぅ…ぐッ、ンっ……」
上下に数回動かしただけで、簡単に絶頂を迎えた。手の中に吐き出した白濁を受け止めながら、思わずボーッと放心してしまう。
少ししてから落ち着いてきた頭で、手を洗いに洗面所へと起き上がった。身体を起こすと、ドロッとしたものが後孔から流れ出てくる感じがする。
ヒートのせいだとしても、生温かいものが太ももを伝っていく感覚は気持ちのいいものではなかった。
はぁ……パンツも替えないと……。
未だにジワジワと熱をもつ下腹部を静めるために、予備の抑制剤を飲み込んだ。
早く朝になってほしい。
……レイさんに会いたい。
冷えきった部屋で一人毛布にくるまりながら、ただそう願った。
プルルルル、プルルルル
いつの間にかあのあと寝てしまったみたいだ。
壁に備え付けられた内線電話が、部屋の中に鳴り響く。
時計を見ると午前十時を過ぎたところだった。
「レイさん……?」
急激に覚醒する頭で、急いで受話器に手を伸ばす。電話からは期待した人の声ではなく、オーナーの声が聞こえた。
『今から部屋に迎えに行くから、出られる準備をしておけ』
それだけ告げると、すぐに電話は切れてしまった。
レイさんに何かあったのだろうか。
頭の中を不安が占める。
しばらくして、オーナーが部屋に迎えに来た。その表情はどこか暗くて、余計に不安になってくる。
レイさんはどうしたのか、と詰め寄る俺にオーナーはただ、「本当はヒート中のお前を部屋から出したくないんだけどな」と苦笑した。
求めていた答えと違う言葉に、じりじりと焦りが増す。
「落ち着けよ。レイはもう自分の部屋のベッドに寝かしてある」
そう俺をたしなめるオーナーは、「随分とあいつに懐いたんだな」と意外そうに言った。
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