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第六章「過去の香り」《7》
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「やだっ、妊娠…したくないッ……こわ、い…!」
縋るように離れた場所にいる母親へと目を向ける。
「助けてッ……! じゅり! ジュリッ…!」
目から流れた水滴が、口端の唾液と混ざってボタボタと床に落ちていく。必死に叫ぶレイの言葉は、男の上に跨り腰を振る彼女には届かなかった。
泣き叫ぶレイを憐れむように、アオはわざとらしく首を横に振ったあと、ニヤニヤと笑みを浮かべ腰の動きを強めた。
「あ゛ぅッ…!」
どうしようもない快感と、ぶつけられる欲望を前にレイは為す術がない。
「あ゛〜気持ちイイ〜」
「イヤッ、やだっ、やだっ、ナカはッ──」
懇願するレイの瞳には、こちらを見下ろす男の加虐に満ちた瞳だけが写った。
どぷッと深い場所に熱が広がっていく。
レイは上手く動かない自分の身体の中に、男が欲を吐き出したのを感じた。
放心する間もなく、ナカに出したものを馴染ませるように、アオは再び腰の動きを再開させる。
「ぅあッ、あ、んッ、あッ…」
裂けた傷口が麻痺したように、後孔は与えられる快感だけをレイの脳に伝えた。喘ぎ声をあげながら、幼い身体はガクガクと揺さぶられる。
縛られていた手からネクタイが解かれ、レイが四肢を力なく床に投げ出したのは、アオが四度目の熱を胎内に注いでからだった。
何度もイカされ、痙攣が止まらない身体からは、弱々しい呼吸が浅く繰り返される。
後孔から血が混ざりピンク色に染まった精液が溢れだす。後孔の震えに合わせて、ドロドロとこぼれ落ちる泡立ったモノに、レイの目から静かに涙が流れた。
「ふぅ……今日はここまでだな。今度はもっと楽しいことしようなぁ、レイ」
乱れた自分の髪をかき上げ身支度を簡単に整えると、アオはにっこりと笑みを浮かべ、颯爽とその場を去って行った。
残されたレイを会場にいた客たちが取り囲む。室内に立ち込めるΩの香りが、彼らの正気を失わせていた。
レイにとっての地獄が、始まりを迎えた日だった。
与えられる暴力的な快感に嬌声をあげる日々。
レイは凛ヵ館のオープンからクローズまでの長い時間で、毎日何人もの客に犯されるようになった。
幸か不幸か予約は途切れることなく、大勢の客が奪い合うようにレイを指名した。
一方的に組み敷かれるだけの時間に、レイはだんだんと感情を無くしていく。やがて言葉すら発しなくなり、食事も食べられないことが増えた。
初めて犯されたあの日から、一ヶ月が経っていた。
顔色は悪く、顔からは生気を感じられない。しかし、その儚げな雰囲気すら客を誘惑する。
レイは、絶対的な存在である母親に逆らうことができず、ボーイとして身体を売り続けるしかなかった。
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