アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第七章「嫉妬の香り」《10》
-
付き合う前までは、実技指導と理由をつけて何度も触られていたけど、今では一緒に寝ていても、レイさんからはほとんど触ってこない。
別にレイさんとえっちなことがしたいわけじゃないけど、先に進みたいなって、どこか期待してる自分がいる。
なんか、俺ばっかりどんどんレイさんを好きになってて悔しい。レイさんのことを考えては、今頃誰かとキスしてるんだろうなとか、俺の事なんて忘れてるんだろうなとか、女々しく落ち込んでる自分が嫌いだ。
そもそも、俺が働くことをなんで嫌がるのかがわからない。俺は別にレイさんのペットじゃない。自分の生活費くらい、自分で稼ぎたい。
「ねぇ、この部屋タオル無いんだけど」
突然、廊下の先で声をかけられ、ふっと我に返った。
「すみません! すぐ持っていきます!」
やべ、補充忘れたかな……。
慌ててタオルを持って駆け寄っていくと、扉から顔を覗かせていたその人に、いきなり腕を掴まれた。
「痛ッ……」
気づいた時には部屋の中へ引きずり込まれていた。顔を壁に押し付けられ、後ろで両手を掴まれる。
相手の顔は暗くてよく見えなかった。
でも、お客さんではなかった気がする。
「君がリトくん?」
背後から耳元で囁かれ、一気に背筋が凍りつく。嫌な汗が吹き出して、心臓がバクバクと早くなった。
「い゛ッ……離せッ!!」
何も答えずにいると、強く手を捻られる。痛みに顔をしかめながら、振りほどこうと暴れた。
「あはッ、怖がってんね」
背後で知らない声が楽しそうに笑う。
なんだよ、こいつッ……!
逃げようとした足は、ピッタリと背中に張り付いた男のせいでまともに動かせない。掴まれた手を必死にバタつかせても、男の力が強くてビクともしなかった。
「君がレイさんと付き合ってるとかいう、にわかに信じられない噂を聞いたんだけど……ホント?」
言われた内容にドキッと心臓が鳴る。
昨日先輩に見られたことをすっかり忘れていた。もしかしたら、先輩が誰かに話してしまったのかもしれない。
声の主は落ち着いた口調だったけど、静かに怒っているのが伝わってきた。
「離せッ……!」
早く逃げないと。ここでどれだけ叫んだって、防音の部屋の中では、外に声が届かない。とにかく廊下までッ……。
「……こんなガキのどこがいいのかなぁ」
ボソッと呟くように男が言う。
「ッ!? やめッ」
突然、男の手が俺のベルトをガチャガチャと外し始めた。抵抗したけど、呆気なくズボンが落ちていく。
「う゛ッ、やめろ……!」
お尻の割れ目を辿りながら、男の指が下着の中に入ってくる。その感覚に鳥肌が立つのを感じながら、恐怖で動けなくなった。
「僕、君に劣ってるとこないと思うんだけど……なんで君なんだろ」
男はなおも独り言のように喋り続ける。
「ココの具合がすっごくイイとか……?」
「い゛ッ」
固く閉じたソコに、指が無理やり入ってくる。
その痛みが、レイプされたときの恐怖を急速に思い出させた。
おちつけッ……おちつけ……。
詰まりそうになる息を必死に吐きだしながら、ガタガタと身体が震え始めたのがわかる。
「あれ、もっと使い込まれてんのかと思ったのに、なに処女? キツいんだけど」
男がバカにしたように笑ったけど、それに返す余裕もない。
「レイさんがお前みたいなのに抱かれるわけないし……何か弱味でも握ってんの?」
無遠慮にナカで指が動き、気持ち悪さが込み上げる。痛いし、誰かにそんなところを触られてるのも嫌だ。
「離せってッ!」
大きく手を振り払うと、ようやく男は手を離した。掴まれていた手首が痛い。
後ろをかばって男と向き合うように反転すると、今度は肩を壁に押さえつけられた。
ようやく見えた男の顔は、知らない顔だった。本当にこの人がさっきまで俺の手を掴んでいたのかと疑いたくなるほど、男は可愛らしい顔をしている。
女の子だと言われたら、思わず信じてしまいそうだ。
「僕、ユズハル。ここのボーイ。よろしくね、リトくん」
明るい声でニコッと笑みを向けられ、思わずその顔を睨みつけた。
誰がよろしくなんてするかッ…!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
83 / 119