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第七章「嫉妬の香り」《18》
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怖がらせないように、どこまでも甘やかして、優しく進めていきたい。そう考えていただけに、こんなに余裕のない自分に呆れてしまう。
数時間前まで客に抱かれ、何度も精を吐き出したはずなのに、下腹部では痛いくらいに自身が張り詰めていた。
「……挿れるぞ」
一時間以上かけて解したソコから、ドロドロになった指を引き抜く。俺の言葉にあからさまに身体を強ばらせるリトの腰の下から、挟んでいた枕を外した。
「ぅあ……ま、まってッ…」
散々時間をかけてやったというのに、この後に及んでリトは足を閉じようとする。その足を手で押さえ、閉じれないように間に自分の身体を割り込ませた。
リトは真っ赤になった顔で必死に俺の腕を掴み、ビクビクと身体を震わせる。
「今さらやめるなんて言うなよ」
リトの上に覆いかぶさりながら、顔を近づける。
「そ、そうじゃないけど……こ、怖いからッ……」
俺の腕にしがみつきながら、不安そうに瞳を揺らすリトを見て余計に興奮した。
「処女みたいなこと言うな」
意地悪く言えば、リトはわかりやすくムッとする。
「だ、だって……あの時は……痛いだけで、わけわかんなかったし……」
ボソボソとごね出すリトを無視して、自分のズボンを僅かに下げ、性器を取り出した。
ローションと一緒に出しておいたゴムを口で開ければ、リトは焦ったように首を横に振る。
「ほ、ほんとにッ…待って……! や、やだッ……」
リトの上に覆いかぶさったまま、自分の性器に薄い膜をクルクルと被せていく。その様子を食い入るように目で追いながら、リトは俺の腕を掴む力を強めた。
「こ、こわいよッ……レイさんッ……」
ベソベソと泣き出したリトに、大きくため息を吐く。眉尻を下げた情けない顔で、ボロボロと涙を流している様子を黙って見下ろした。
「はぁ……」
ちゃんとセックスをするのが初めてならこんなものか、と自分の初体験を思い出す。そりゃ、怖いよなとわかってはいるが、ここでやめてやる余裕が自分にないのも事実だ。
俺の胸を押す小刻みに震えているリトの手を掴み、下腹部へと導く。
「触って」
俺のモノを無理やり触らせれば、リトの目が大きく見開かれた。
「ッあつ、い……」
リトがボソッと紡いだ言葉に、自分の性器がピクッと反応する。触れているリトにもそれがわかったのか、俺の目を見て恥ずかしそうに顔を歪めた。
「挿れる……いいな?」
我ながら余裕のない声で囁けば、リトは唇をグッと噛み締め、相変わらずボロボロと泣いたまま、少しして小さくうなずいた。
リトの両手を俺の首へまわさせる。抱きつきやすいように覆いかぶさる身体を下げれば、与えられる刺激に怯えるように腕がキツく絡みついてきた。
ドクドクとうるさい心臓が、どちらのものかわからない。
部屋の中は、俺とリトの匂いで充満している。
自分でも酔いそうになるほど濃いフェロモンの香りだった。
「リト、キス」
不意に顔が見たくなって、俺の肩口に顔をうずめていたリトに顔を上げさせる。
快楽に酔った瞳が、うっとりと俺を見上げた。
堪らずその唇にむさぼりつく。
ヒクヒクと誘う後孔へ性器の先をあてがえば、怖いのか、巻きつく腕に力がこもった。
「ンぅ…ぁ、はぅッ……」
唇を合わせ、安心させるように舌を絡めてやると、リトの口から甘い声が漏れる。
ゆっくりとナカへ腰を進めていく。あれだけ慣らしたというのに、肉壁はキツく俺の性器を締め付けてくる。
「う゛ぅッ…、ぐッ……」
肉壁が押し拡げられる感覚に、リトはギュッと目を閉じ息を詰めた。
「大丈夫。ゆっくりするから……息、吐いてごらん」
出来るだけ穏やかに声をかける。まだ先端すら入りきっていないというのに、リトはツラそうに眉間にシワを寄せた。落ち着かせるために額にキスをすれば、リトは喘ぐように息を吐き出す。
「はぁッ…うッ、くるしッ……」
強張っているリトの身体から、力が抜けるタイミングを待つ。余裕がないらしく、唇の隙間から唾液が垂れていた。それを舌で拭いながら、腰を動かさないように込み上げる衝動を堪える。
「は、ぁ…はぁ……ぅッ」
必死なって短く息を吐き出すリトの耳元へキスをし、涙の跡を唇で辿った。
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