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第七章「嫉妬の香り」《21》
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────リト。
レイさんの声。
優しくて、心地良くて、呼ばれるたびに安心する。
怒ると怖い。でも、大好きで大切で、頭の中はいつもレイさんのことでいっぱいだ。ずっと独りでいた俺を、初めて好きになってくれた人。
……初めて、俺が好きになった人。
『お前がいないと……死にそうなんだ』
今にも泣きだしそうな顔で、レイさんが言う。
違うよ、レイさん……。死にそうなのは俺の方。
レイさんがいないと俺、また独りに戻っちゃう。レイさんに捨てられたら、俺、どうしていいかわからないんだ。
ねぇ、レイさん……。
──俺と、ずっと一緒にいてね。
「リト」
頭を撫でられる感覚に目を覚ます。温かくて気持ち良くて、その手に無意識に擦り寄った。
「あ゛ぐぅッ……」
突然、全身を駆け抜ける強烈な刺激にビクッと身体が強ばる。
「な、にッ……」
未だソコに深々と挿入ったままの熱に、急速に意識が引き戻された。
「トんでた。あと少し……頑張ろうな?」
「んあ゛ッ……!」
レイさんが腰を動かす。ヌルッとしたモノが抜けていって、また肉壁を押し拡げながら入ってきた。
どれくらい意識がなくなっていたのかわからない。でも、さっきと微妙に体勢が変わっていて、キョロキョロと目だけで周りを見回した。
「あ、なんッで……はぅッ……」
身体は横を向かされていて、片足はレイさんの肩に乗せられている。さっきよりもずっと繋がりが深くて、お腹が苦しい。
何がどうなってるのかちゃんと理解できないまま、レイさんがふっと笑ったと思ったら、すぐにまた何も考えられなくなった。
「ひッ…んあッ、ひぐぅッ──」
喘ぐことしかできなくて、痙攣する身体を止められない。溢れてくる涙がポタポタとシーツに染みを作って、揺すられるたびに汗が額を伝い落ちた。
レイさんに掴まれている足に力が入らない。為す術もなく深くナカを抉られて、狂ったように声を漏らした。
「だめッ……おれっ、またイクッ、やめて゛ッ……もうイキたく゛ない゛ッ……!」
頭が壊れてしまったみたいに、ずっと達し続けている。それなのに、その奥からまた強い波が押し寄せてきてパニックだった。
一生懸命、息を吐き出すのに、全然楽にならない。痛くはない。ただ、気が狂いそうな快感が全身を巡っていて、堪らずシーツを握りしめた。
おかしくなるッ……!!
イキすぎて、もう自分とレイさんの境目がわからない。
「ひッ、う゛あぁ゛……!」
色の薄くなった白濁を吐き出して、ナカをギチギチと締め付ける。
「ッ……」
その締めつけに応えるように、レイさんが短く息を詰めて、ナカで熱を吐き出した。
「ッ…ぁ、ぅッ……」
痺れた身体から力がガクッと抜ける。意識にモヤがかかったように視界が白んで、何も考えられない。
知らないうちに性器の先の割れ目がパクパクと動いて、俺の意志とは関係なくジョロジョロと温かいものが溢れ出した。
────
「悪い……」
レイさんに全身を洗われ、力の入らない身体でダラッとお風呂場の床に座り込む。シャワーのお湯をかけられながら、指一本だって動かせなくて目だけでレイさんを睨んだ。
「……ばか」
バツが悪いのか、レイさんは俺の身体を丁寧に洗いながら眉尻を下げる。
「だから、ごめんって……」
さっきまでとは打って変わって、珍しく下手に出てくるレイさんに抱き抱えられて浴室を出た。動けない俺の世話を甲斐甲斐しく焼いてくれる。
レイさんに身体を預け、髪を乾してもらいながら、余韻の残るナカが微かに痙攣しているのを感じた。こっそりとお腹を手でさすり、小さく息を吐く。
すごかった……。
じわっと熱くなる顔を隠すようにうつむくと、髪を乾かし終わったらしいレイさんが俺の頭を撫でて立ち上がった。
同じくらいの身長なのに、レイさんはしれっと俺を抱き上げてリビングへと歩き出した。
ソファにそっと下ろされて、レイさんが取ってきてくれたペットボトルに口をつける。手に力が入らなくてペットボトルを落としそうになると、レイさんの手がさり気なく支えてくれた。
半分ほど飲んで口を離せば、レイさんは俺の飲みかけのそれをごくごくと一気に空にしていく。そのままペットボトルをテーブルに置き、俺を置いて寝室へと消えていった。
何も言わなかったけど、たぶん俺が汚したベッドを片付けに行ったんだと思う。
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