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「ああ、昨日キョウヘイに過去の記憶について聞いたんだ。そしたら混乱し始めたんだよ。」
昨日あった出来事をヨリヒトに話す。
「引き取る時にキョウヘイの事何も聞いてなかったからさ。何かあるんだろ?教えて欲しい。」
そう続けると、ヨリヒトは「そうだねえ。」と顎に手を添えた。
「まず、キョウヘイは二人の人間を組み合わせて生み出したものなんだよ。」
「はあ……。」
急にぶっ飛んだ話をされて俺の頭も混乱する。
ファンタジーの世界かなんかか?などと思っていると「ファンタジーとか抜かしたこと思ってるでしょ。」と言い当てられる。
「そんなんじゃないさ。でもキョウヘイの事は話せる範囲で話すよ。」
そう言ってヨリヒトはキョウヘイについて話はじめた。
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「と、これくらいかな。どう?他に聞いておきたいことある?」
「いや、十分だよ。ありがとう。」
一通り話を聞き終えた俺は、ふう。とため息を吐いた。
絶対に俺には分からない専門用語を使って説明してくるあたり、嫌味な奴だ。相変わらずの彼に「今日一番のカロリーを使ったわ。」と溢すと「俺もだよ。」と嫌味で返してくる。
伸びをしたついでに腕時計に目をやると、針は20時半を指していて飛び上がる。
しまった。20時には帰るって言ったのに…!
「うわー、もう20時半かあ。俺このままカガリのとこ行かなきゃだし、その前に飯行かない?」
外に出る準備をするヨリヒトを横目に、慌てて荷物をまとめる。確かスーパーは21時までだったはず。
「ちょっと〜、聞いてる?」
「悪い。キョウヘイを待たせてるんだ。また今度な!」
えー、と口を尖らすヨリヒトに「すまん。」と片手を顔の前に合わせる。「また連絡する!」と残してヨリヒトの家を後にした。
とりあえず、今はスーパーに間に合うかどうかの勝負だ。
ボロいビルを飛び出して人通りの少なくなったアーケードを、全力で駆け抜けた。
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