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あいついつの間に…。
貸し借りを気にする関係ではないが、ヨリヒトに借りを作るのはなんだか癪だ。
また今度飯でも誘うか、などと考えていると「空いたお皿片付けるね。」と言ってキョウヘイが席を立つ。
「悪いな気ぃ遣わせて。片付けは俺がやるよ。」
「いいよー。俺一日中暇だし!」
そう言って彼はふざけた様に笑う。
それにしてもヨリヒトの言った通り、吃音は治っている。
話していく内に気にならなくなってくる。と言ってたが一日で流暢に喋れるようになるとは思わなかった。
あとは昨日みたいな混乱を起こさせなければ、問題なく生活できそうだ。
先程のヨリヒトの件もあり、発言には気をつけようと自戒する。
「キョウヘイ、先に風呂入ってきなよ。」
「いいの?アキラさん先入ったら?」
「お前寝巻きないだろ。入ってる間に探しておくから。」
そうは言ったものの、私服はほとんど着る機会がないから実家出る時に置いて来たんだっけ。と思い出す。
手持ちの服すら把握できていない中、まだ余ってる服あったかな、とクローゼットの中を探すと存外あっさりと丁度良いものを見つけた。
これなら部屋着にぴったりだろう。
脱衣所のかごにタオルと部屋着を入れると数分後に戸を開ける音が聞こえた。
「アキラさーん。出たよー。」
「おっ、ぴったりじゃん。」
キョウヘイが来ているのは、俺が高校時代に来ていたジャージ。当時から身長が変わっていないから、今の彼には丁度良いサイズだった。
「高校時代のジャージだけどまだ着れそうだな。」
「アキラさんこのジャージなんだけどさ、」
そう彼が切り出して続ける。
「なんか、すごい懐かしい感じがするんだよね。」
「懐かしい匂いってことか?」
「ああ違う!そういう意味じゃなくて、何だろう。俺この学校通ってたのかもなーって。」
そう言って優しく微笑んだ。
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