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プロローグ
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入学して1年、今の高校生活にも慣れてきた頃だった。
一人暮らしを始めたおかげで家事や炊事は上達したし、バイトを掛け持ち出来るくらいの体力もついた。
昔は病弱だったのに、なんて、昔の俺を知ってくれている人は褒めてくれるだろうか。
桜の散る通学路を歩きながらふと、らしくもない考えが脳裏に過って、それを掻き消す様にブンブンと頭を左右に激しく振れば、綺麗に咲いた桜を見上げた。
今日から俺の高校生活は2年目を迎える。
今までやってきたことをそのままずっと、平凡にこなして、平凡に生きて行く。
俺はそう信じて疑わなかった。
『今日から赴任された、新しい先生の紹介です。』
新学期最初の行事とも言えるこの始業式で
『東雲 天也 です。よろしくお願いします。』
この人と出逢うまでは。
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