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「だめなものはだーめ!」
「奈茅の鬼!ばか!けち!!」
こんなにお願いしているのに奈茅はさっきから全然許してくれない。喧嘩なんてしたことないのにこんな小さいことで喧嘩に発展しそうだ。
いや、こんなに小さいことじゃない!僕にとってはものすごく大事なのになんでわかってくれないの。
「そんなこと言っても危ないからだめ。心配してるんだよ。なんで分からないんだ」
「内海さんはそんな人じゃない!奈茅こそなんで
分かってくれないんだよ!」
今度は僕と奈茅の間にバチバチと火が見えた
泣きそうなのをグッと堪える。ここで泣いたら負けな気がしたからだ。
同じ話を繰り返してるだけで進まない。
こうなったら…と、嫌な考えが出てきたけどフルフルとその考えを頭から消す。
奈茅とは喧嘩したくない…。
唯一無二の存在だから。
もうやめようと提案しようとしたときに後ろから声が聞こえた。
「いつまで言い合いをしているつもりなんだ。」
いつもの調子に戻った内海さんに言われて気がついた。
(そうだ…、ここ寮のエントランスだからうるさくしたら迷惑だよね。)
謝ろう、そして時間をかけて認めてもらおうと思ったのにまだ奈茅は不満があったみたいでグチグチと止まらない。
「そもそも灯は危機感無さすぎて変な奴とかに好かれすぎ。いい加減自覚持ちなよ。」
「なっ!?、変な奴とかなんだよ!みんないい人だ!」
「いい人ー?あれが?灯が気づいてないだけで裏で俺が守ってたんだよ!」
馬鹿にしたように鼻で笑われてカチンときた。
「守ってもらわなくても僕は大丈夫だし、奈茅は心配性すぎるんだよ!」
「俺が居ないと何も出来ないくせに!」
「奈茅がいなくても出来る!なんなら、これから僕に付きまとうな!!」
僕の言葉にカチンときて負けじと奈茅も言い返す
「付きまとってんのはそっちだろ。金魚のフンみたいって言われてるんだぞ!」
周りがシーン…とする
その言葉に耐えきれなくなってついに泣いてしまった。
奈茅もやっと気づいて、しまった、と顔に出る。
「あ、、いや、灯ごめん。俺はそんなこと思ってないから…ね、、」
僕の髪を撫でようとしてくれた手を叩いて、酷い、と込めて睨みつける。
「奈茅さん。それはさすがに言い過ぎだよ」
いつもの変態イケメンの葉一さんも今は真面目で、奈茅もそう言われて落ち込む。
こんなに周りを巻き込んでまで奈茅と喧嘩したくなかった。迷惑までかけて情けない。
涙が止まらない。もう嫌だ。逃げ出したい。
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