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〔 彼方 side 〕
さとちゃんや龍ちゃんと騒いでいると 、 同じ講義を受けている男と目が合った 。 背が高くて 、 サラサラの黒髪が印象的だ 。
たしか 、 宮原 凛だっけな 。
名前と格好がオシャレな奴って覚えてる 。 さとちゃんと龍ちゃんは多少の面識があるみたいだけど 。
凛 : 「 そこ邪魔 。 」
「 あぁ 、 ごめんごめん!おはよう 、 宮原 。 」
凛 : 「 …… あんま大きな声で話すなよ 、 倉持 。 」
ぶっきらぼうな奴だ 。
面を合わせて話したのは今日が初めてかもしれない 。
既に入学から半年は経ってるし 、 話したことがないのは一部だけで挨拶を交わす人は多い 。
その中でも宮原とは関わりがなかったから仕方ないんだけどさ 。
いつも澄ました顔してるけど 、 女子には人気らしい 。 龍二よりはモテないけど顔はすっごく綺麗だし 、 男女ともに声は掛けられると思う 。
一回でいいからああいう奴の相手したい 。
龍 : 「 宮原くんだっけ 、 うちの彼方がごめんね 。 」
悟 : 「 すまんな 、 こいつ周りが見えない奴だからさ 。 」
俺がくだらないこと考えてる間に 、 二人が親のように謝ってくれる 。 俺がめちゃくちゃ悪いことしてるみたいじゃないか 。
でも俺が悪いから言い返せない 。
凛 : 「 別に 。 」
宮原はすぐに俺たちの前を通り過ぎて部屋の中に入り 、 誰も寄らない窓際の席に腰掛けた 。
なんか友達が居ない奴みたい 。
何となく気になるけど 、 あいつは俺のこと好きな感じではなさそう 。
機会があれば話しかけてみるかな 。
講義が始まるまで話し込んだ俺たちは 、 時間になるとすぐに席に着いた 。
講義が終わるとすぐに帰るやつがほとんどで 、 マイペースな俺をさとちゃんと龍ちゃんが見守ってくれる 。
「 あ 、 ノートどこやったっけ 。 」
悟 : 「 はぁ〜?さっきまで持ってただろ? 」
龍 : 「 ほらここ 、 教科書の間に挟まってるよ 。 」
「 ほんとだ!いや〜 、 悪い悪い 。 」
忘れっぽい俺を叱らず面倒見てくれるのはすごく心地がいい 。 親や兄弟とは違う感じで 、 すごくむず痒いけど酷く安心する 。
こんなこと言うと気持ち悪いって言われるから 、 絶対に言ってやらないけど 。
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