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未知の領域
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〔 彼方 side 〕
宮原の家は大学から近い 。
待ち合わせした本屋から少し歩いた所にあったアパートで 、 交通機関の多さと家賃の安さで選んだらしい 。
途中のコンビニでお酒やおつまみを買って 、 無口な宮原に質問攻めした 。
最初はめんどくさそうだったけど 、 答えない方が面倒だと思ったらしくて簡潔に答えてくれる 。
なんだかんだで宮原は優しい 。
「 おじゃましま〜す! 」
凛 : 「 おい 、 靴ぐらい揃えろって 。 」
古くも新しくもないアパートの玄関先で深々と頭を下げて 、 雑に靴を脱いで家に上がる 。
人の家に上がるのは 、 あまり慣れない 。
綺麗にされてる部屋は宮原らしくて 、 キョロキョロ見回した 。
凛 : 「 適当に座ってなよ 。 」
物を勝手に触るな 、 と釘を刺した宮原はキッチンに消えていった 。
リビングとキッチンを隔てるドアは閉められているし 、 宮原が何をしているのかも分からない 。 でもいい匂いがするから 、 きっと料理をしているんだろう 。
改めて部屋を見回してみると 、 家具が少なく感じた 。
俺も一人暮らしだけど 、 ここまで殺風景じゃない 。
色が足りないというか 、 なんと言うか 。
コンビニの袋からビールを取り出して 、 プシュッとプルタブを開ける 。 一口呑むと 、 大して疲れてないけどおっさんみたいにプハ〜っと息を吐いた 。
アルコールに強い方ではないから 、 いつも一缶で終わる 。 でも今日は宮原が居るし 、 少しぐらい羽目を外しても大丈夫かな 。
なんて思ってると扉が開いて 、 呆れ顔の宮原が登場した 。
「 何してたんだ? 」
凛 : 「 つまみ 、 足りないだろ 。 」
「 すっげぇ!俺より料理できんじゃん! 」
凛 : 「 は?何言ってんの 。 俺にもビール取って 。 」
哀れんだ視線には気付かないフリをした 。
鶏皮ぽん酢とじゃがバターを作ってくれたらしい 。
どっちもお酒に合うからと頻繁に作るらしいけど 、 人にもてなすのは初めてなんだって 。
基本的に好き嫌いがないのもそうだけど 、 味付けが俺好みでパクパク食べてしまう 。
「 なぁなぁ 、 宮原はさぁ 、 ゲイなの? 」
少し酔いが回ってきた頃 、 俺はずっと気になっていたことを問いかけた 。
あの掲示板に書き込んでいたぐらいだからそうなんだろうけど 、 確信が欲しくて 。
今の宮原なら 、 何でも答えてくれそうな気がした 。
凛 : 「 そうだけど 。 なに 、 言いふらすつもり? 」
「 そんな事しねぇし〜 。 俺もそうだからさぁ 、 親近感っていうの? 」
凛 : 「 あっそ 。 」
「 隠れゲイって 、 言うんだっけ?大変じゃねぇの? 」
凛 : 「 別に 。 お前みたいにオープンでいると 、 好奇の目に晒されるから生きづらい 。 」
隠してた方が生きづらいと思うけど 。
でも少し寂しそうな目をする宮原にそんなことは言えなくて 、 わざとらしく明るい声で振舞った 。
「 そろそろエッチしようぜ 、 俺も酔ってきたしさ〜 。 」
凛 : 「 …… いいけど 。 」
「 ベッドでいいだろ? 」
ノリノリとまではいかないけど 、 ノリ気の宮原を引っ張ってベッドに押し倒した 。
相変わらず何を考えているか分からない 。
いつもするみたいに口付けると 、 静かに応えてくれる 。
「 なぁ宮原ぁ 、 」
凛 : 「 なに 。 」
「 俺 、 宮原みたいな綺麗な顔した人 、 抱いてみたかったんだ〜 。 」
思ったことをそのまま口に出すと 、 宮原はフッと表情を緩めた 。 初めて見た 、 宮原の笑った顔 。
綺麗な顔に見惚れていた俺の肩を押すそいつは 、 更に綺麗な笑顔を浮かべる 。
凛 : 「 誰が抱かせるって言った? 」
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