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近距離
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〔 彼方 side 〕
俺がパフェを食べ終えると 、 昼時だからかレストランには人がたくさん入店してきた 。
早めに来て良かったね〜なんて笑いながら個別会計をして 、 大学までゆっくり歩いて向かう 。 ちなみに俺が食べたピザとドリア 、 パフェのお金は宮原が払ってくれた 。
なんで?って聞いたら 、 彼氏は飯を奢るのが普通なんだって言われた 。
俺も彼氏の部類に入るんじゃないの?
ルンルン気分で歩きながら 、 澄ました顔の宮原を見上げる 。 相変わらずの無表情で何を考えてるのか分からないけど 、 きっと眠いんだろうな 。
眉寄ってるし 、 猫背だし 。
「 宮原ぁ 、 眠い? 」
凛 : 「 …… お前の顔と声で眠くなるわ 。 」
「 なんで?? 」
チラッとこっちを見たと思ったら 、 でっかい欠伸しやがった 。 なんて失礼なやつなんだよこいつは 。
きっと褒めてるんだ 。 うん 、 そうだ 。
「 受ける科目が一緒で良かったな! 」
凛 : 「 なに 、 ノート書いといてくれんの? 」
「 それはしないけど … 起こしてあげられるだろ? 」
凛 : 「 …… 静かに寝かせる選択肢はないわけ 。 」
寝たら俺が寂しいじゃん 、 とは言わずに眉を下げた 。 俺と宮原の性格が違いすぎて話にならない気がする 。
起こすことは諦めるしかないか〜 。
炭酸のジュースでもあれば眠気を飛ばせられたかもしれないけど 。
龍ちゃんとさとちゃんの後ろに続いて大学に入り 、 赤いストラップの付いた入校証を首から下げる 。
これがなければ不審者扱いされるんだ 。
俺が付けるとおつかいしてる子供みたいだけど 。
? : 「 彼方 、 おはよ〜 。 」
「 おはよ〜!なぁなぁ 、 眠気覚ましになるもの持ってない? 」
? : 「 持ってねぇなぁ … なに 、 眠てぇの? 」
「 え?いや 、 俺じゃないんだけど 。 持ってないなら大丈夫 、 ありがとな! 」
知り合いにすれ違いざま聞いてみたけれど誰も持ってないみたいだ 。 う〜ん … どうしようか 。
一人で考え込んでると 、 宮原が俺の腕を引いて抱き寄せた 。
こんな所で大胆だな〜って見上げて笑うと 、 呆れ半分怒り半分の宮原 。 これはやばい??
内心汗ダラダラだけど 、 表には出さずジッと見つめた 。
ここで俺が目を逸らしたら宮原が離れていく気がするし 、 なんか怒ってるみたいだし 。
付き合って一日目で喧嘩して別れたくない 。
凛 : 「 あのさ 、 あんまり他の奴にベタベタしないでくれる 。 」
「 ベタベタ?ちゃんと手は洗ったけど … 。 」
凛 : 「 バカ 。 俺以外のやつに触るなって言ってんだよ 。 」
「 …… なんで? 」
凛 : 「 俺はお前のなに? 」
「 宮原は俺の … 恋人! 」
凛 : 「 恋人は他のやつにしっぽ振らないんだよ 、 分かった?俺の傍にずっと居て 。 」
「 うん 、 分かった! 」
さっきの友達に声をかけたから怒ってたのか 。
なるほど 、 宮原は俺が他のやつに話しかけてたら嫌らしい 。 気をつけねば 。
言われたからには守るぞ 、 俺は 。
宮原の横にピッタリくっつく 。 ゼロ距離ではないけど 、 腕が触れ合うか触れ合わないか程度に 。
昨日も思ったけど 、 めちゃくちゃいい匂いするよな〜 。 どんな柔軟剤使ってんだろ 。
今日も泊まるって言ったら 、 洗濯してくれるかな 。 同じ匂いにして欲しい 。
宮原の匂いって落ち着くんだよな 。 さとちゃんと龍ちゃんの匂いも好きだけど 、 宮原の香水じゃない匂いが好きなんだ 。
なんて言ったら冷めた目で見られるから 、 我慢 。
あとで誘ってみようかな 。
断られたら怖いけど 、 言ってみるだけ 。
悟 : 「 独占欲の塊じゃねぇか 。 」
龍 : 「 彼方は分かってないみたいだけど 、 宮原くんめちゃくちゃ彼方のこと好きだよね 。 」
悟 : 「 あそこまで露骨な態度だったらなぁ … 。 」
龍 : 「 幸せそうだし 、 良いんじゃない? 」
また二人でボソボソ言ってるけど 、 俺には全く聞こえない 。 仲間外れにするなよ〜 。
俺と宮原も仲間に入れろ!
って拗ねたら 、 それはこっちのセリフだと怒られた 。
なんで??
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