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〔 彼方 side 〕
気付けば俺の腕の中には大量のサメがいた 。
取って 、 なんて言ってない 。
宮原が次から次へと俺の腕の中に収めていくんだ 。
持ちきれないと言っても聞いてるのか聞いてないのか分からない反応で 、 俺はただコインが機械に吸い込まれていくのを黙って見ていた 。
龍ちゃんとさとちゃんはシューティングゲームの方に行ったっきり帰ってこない 。
「 宮原ぁ 、 もう持てない 。 」
凛 : 「 ………… あぁ 、 ごめん 。 袋もらう? 」
「 うん 、 欲しい 。 」
やっと財布をしまった宮原は 、 近くのスタッフに大きめの袋が欲しいと声をかけてくれた 。
自分で声かけられるのにな〜って思ったけど 、 黙っとく 。
めちゃくちゃ大きい袋にサメのぬいぐるみを入れていった 。 グレーと青 、 黒のサメがどんどん袋の中に消えていく 。
すっげ 、 と見守っていると宮原がその袋を持ってウロウロしだす 。
財布は出さないけど 、 どうやれば取れるのかブツブツ呟いてた 。
「 宮原 、 俺が持つ! 」
ゴミ袋みたいになったそれに手を伸ばすけど 、 渡してはくれない 。
俺も男だし 、 それなりに力はあるのに 。
ムッとする俺に気付いた宮原は俺の手をペチッと叩いてすぐに別のゲーム機へと目を向けた 。
…… 腹立つ〜 。
なんだよ女の子扱いしやがって 。
そういうのは可愛い子にしろよな 、 まったく 。
まぁ俺と付き合ってるからそんな事はさせないけど 。 なんて言ったらめんどくさそうな顔するの分かってるから 、 言わないけど 。
龍 : 「 ただいま〜 。 あれ 、 いっぱい取ってもらったね〜! 」
悟 : 「 うわ … 水族館でも作る気かよ 。 」
奥のコーナーから戻ってきた二人は宮原の手元を見ると 、 それぞれ違う反応をした 。
さとちゃんはめちゃくちゃ引いてるけど 。
いいでしょ〜と胸を張ると 、 龍ちゃんはよしよしって頭を撫でてくれた 。
ゲームセンターから本屋に行って 、 それぞれ欲しいものをゲットすると夕飯の話になった 。
近くのラーメン屋さんが美味いと聞いたらしい龍ちゃんに着いてって 、 宮原と並んで歩く 。
袋 、 持って歩くの大変じゃないのかな 。
でも俺が持とうとすると嫌がるし 。
とりあえず任せとこ〜と歩いて十五分 。
味噌ラーメンで有名なお店に着いた 。 お店に入る前もいい匂いがして 、 俺のお腹はグゥーと鳴った 。
「 あ〜腹減った! 」
凛 : 「 さっきも死ぬほど食ってただろ 。 」
龍 : 「 彼方は大食いだからねぇ〜 。 」
悟 : 「 食うくせに太らねぇから不思議だよな 、 ほんと 。 」
「 なぁ早く入ろうぜ〜 。 」
ラーメン屋でも俺の隣は宮原 。
腕が触れ合う距離に 、 俺の心臓はトクトクと動いている 。
朝はこれ以上の距離でくっ付いていたのに 、 今はなんだか恥ずかしい 。
宮原は優しすぎるし 、 そわそわして落ち着かない 。
俺 、 こんなに振り回される奴だっけ 。
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