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喧嘩
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〔 彼方 side 〕
起きて鏡を見たら 、 目が腫れていた 。
ちゃんと冷やしたはずなのに 、 真っ赤になっていて痛々しい 。 メガネで誤魔化さなきゃ 。
滅多にかけない伊達メガネをかけて 、 大学へ 。
凛の家の前を通ったけど 、 部屋の中までは見えないしそのままスルーをした 。
龍 : 「 おはよう 、 彼方 。 メガネ珍しいね 、 すごく可愛い 。 」
悟 : 「 メガネかけると頭良く見えるってガチだったんだな 。 」
龍 : 「 たしかに 、 少しだけど頭良く見えるよ 。 」
教室に入ればいつもの友人 。
目の腫れも分かっているはずなのに 、 そこに触れてこない優しい二人だ 。
連絡も返してないのに 、 怒らないで話してくれる 。
嬉しくて 、 また泣きそうになった 。
「 イメチェンってやつ 、 してみようと思って!付けてきて正解だったな〜 。 」
あとで大丈夫だって返しておかなきゃな 。
あんまり俺の事で悩ませたくないし 、 泣きつくほどでもないし 。
いつも通り話してくれる友人と席に座り 、 さとちゃんのバイト話をしていた 。
昨日は忙しくて 、 店長に怒られた〜とか 。 すごくくだらない話だった 。 そのくだらない会話がホッコリする 。
三人でくだらない話をしていると 、 ドサッと重たい音がした 。 俺のすぐ横には 、 高身長の男 。
「 あ …… 、 」
視線を向けると 、 いつもより冷たい目をした凛がいた 。 さとちゃんも龍ちゃんも 、 何も言わずに凛の言葉を待っているみたいだ 。
何でこんなに怒ってるんだろう 。
凛 : 「 お前 、 昨日なにしてた 。 」
背筋が凍るほど冷たい 、 凛の声 。
昨日の朝は優しくて甘い声だったのに 、 どうしてだろう 。
約束破って俺が帰ったから怒ってるの?
「 昨日 、 は 。 家帰って … 寝てた 、 よ 。 」
凛 : 「 俺との約束は? 」
約束?
服を買いに行くってやつかな 。
そんなの 、 心が痛くて断ったよ 。 メールもしたし 。
凛は 、 林さんといた方が楽しいでしょ?
「 …… それは 、 」
凛 : 「 答えろよ 。 」
威圧的な凛の声に 、 逃げ出したくなった 。
だって俺ばかり責めるんだもん 。
俺が悪いわけじゃないのに 、 なんで責められなきゃいけないんだ 。 こんなの不公平だし 。
何より 、 一番傷ついたのは俺なのに 。
「 だって 、 凛には林さんがいるだろ 。 」
凛 : 「 は?関係ねぇだろ 、 八つ当たりすんなよ 。 」
「 …… してない 。 」
負けじと言葉を返すけど 、 俺の心はボロボロだ 。
涙も滲んで 、 目の前の凛を真っ直ぐ見れない 。
ポタ 、 と床に一粒の涙が落ちた 。
凛 : 「 はぁ … 面倒くせぇ 、 泣くなよ 。 」
面倒くさい 。
やっぱり 、 俺と凛は合わないよ 。
だってこんなにも俺は面倒で 、 泣き虫なんだもん 。
どうせ女の人がいいんだ 。
俺のことなんて遊びだと思ってたんだ 。
「 ……… 面倒なら 、 もう付き合わなくていいよ 。 林さんとイチャイチャしてろ 、 バカ! 」
悔しくて悔しくて 、 凛の身体に鞄を投げて帰ろうと身を翻した 。 さとちゃんと龍ちゃんは俺の名前を呼んだけど 、 振り返らなかった 。
こんな泣き顔 、 誰にも見せられない 。
昨日と同じようにとぼとぼ歩き 、 財布もスマホもない俺は家の近くにある公園で時間を潰そうと移動した 。
凛が追ってくる気配はない 。
完全に嫌われただろうな 、 と思うしかなかった 。
「 …… どうせ俺なんか 、 面倒なやつだよ 。 」
そんなこと分かってる 。
嫌われたくないから 、 ずっと隠してきたんだもん 。
俺にも家族はいるけど興味を持ってはくれなくて 、 子供の時から話すこともなかった 。 別に俺がいてもいなくても良いって感じで 、 甘えたくても出来なかった 。
だから 、 その寂しさとか甘えたを埋めるためにセフレを作った 。
凛ならって期待をした自分が馬鹿だったんだ 。
やっぱり 、 俺には恋人なんて向いてない 。
初めての恋人と 、 たったの二日で別れたんだから 。
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