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嫉妬
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〔 彼方 side 〕
ふと目が覚めた 。
瞬きしながらカーテンに視線を向けると 、 外は薄暗い 。 鳥はピチピチと鳴いて 、 朝を知らせてくれている 。 時計はまだ早朝を指していた 。
うんざりしながら隣に視線を送れば 、 すやすやと眠る凛 。 寝顔と笑顔はすごく幼いよな 。
可愛いと思ってしまった俺は末期かもしれない 。
なんて思いながらベッドを飛び降り 、 朝食でも作ろうとキッチンへ 。
散らかすからって俺は入ったことなかった 。
やっぱりそこは凛らしく綺麗に整頓されていて 、 まな板も新品かと思うほどに傷すらなかった 。
あぁ 、 なんか 、 愛しいな 。
凛の形跡が残る全てのものが愛しくて 、 一人でニヤニヤしてしまう 。
気を取り直して冷蔵庫を覗き 、 卵とほうれん草を見つけると卵焼きとおひたしを作った 。
卵焼きだけは自信がある 。
母親が唯一俺に教えてくれた料理だったから 。
少し甘いけど出汁も効いてる卵焼きが 、 小さい頃から大好きなんだ 。
宮原も好きだといいけど 。
凛 : 「 …… なにやってんの 、 」
ふっくら炊き上がったお米を茶碗によそうと 、 後ろから抱きしめられた 。
急に声をかけられた事へは驚かないけど 、 起きてたんだなって少しびっくりしたぐらい 。
ぐりぐりして甘える凛に擦り寄る 。
寝起きは体温が高くて 、 ちょうどいい 。
「 朝飯 、 食べるだろ? 」
凛 : 「 ん 。 でも 、 もう少し 。 」
凛はそう言って動かなくなった 。
手が俺の腹や尻を行ったり来たりしてる事にはあえて突っ込まない 。
凛に触られるのは好きだ 。
それがどこだろうと 。
「 …… 凛 、 ご飯が冷めちゃう 。 」
凛 : 「 ん 、 」
出来たてを食べて欲しいと懇願するとすぐに離れていった 。 素直なのか素直じゃないのか分からない 。
二人で並んでいただきますをして 、 俺はおひたしに箸を伸ばした 。 凛は迷ったあと卵焼きを食べたみたいだ 。
ドキドキしながら感想を待つ 。
凛 : 「 これ 、 美味い 。 お前が作ったの? 」
「 そ 、 そう!得意料理なんだ 。 」
凛 : 「 ふ〜ん … 明日も作って 。 」
気に入ってくれたらしい 。
しかも明日も作って 、 なんて言われてしまった 。
これは今日も泊まっていいよってお許しかな 。
だとしたらめちゃくちゃ嬉しい 。
俺がいるこの家が日常だと思い始めてるのかもしれない 。
このまま嫁になろうかな 。
と 、 少し真剣に思ったことは内緒だ 。
その後もおひたしやお米の硬さをこれでもかと褒めてくれた 。 俺はいつも美味いとしか言わないから 、 少し罪悪感 。
ごめんな 、 凛 。 俺も褒めちぎるからな 。
また昨日のように凛から服を借りて 、 二人並んで歯磨き 。 隣の恋人は俺をチラチラ見たり足を絡ませてみたり 、 甘えモード全開だ 。
今日はそういう日なのかもしれない 。
まだ行きたくないと駄々を捏ねる凛と手を繋いで家を出て 、 大学までの道をゆっくり歩いた 。
凛 : 「 コンビニ寄るか 。 飲み物いるだろ? 」
「 コーラにしようかな 、 眠気飛んでいきそうだし 。 」
凛 : 「 あれ飲むと歯がキシキシする 。 」
それは歳なんじゃ??
大学の近くに新しくできたコンビニに入って 、 飲み物とのど飴を買ってもらった 。
凛と付き合ってから貢がれてばかり 。
俺が財布出しても受け取ってもらえないから 、 どうしようもないんだけどさ 。
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