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刻みつける、無意識の快感(R18)
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※「触れる体温、ぬめる指先」のその後
「……んっ!」
時雨さんの家に着いたオレは靴を脱ぎ捨てた後、目の前の唇を激しく強引に奪った。
「ナイトく……待って……」
「待てるかよ」
うまく呼吸ができなかったのか、見上げてくる時雨さんの瞳は少し潤んでいる。
その姿が、ユニークでオレに指を舐められているときの時雨さんを彷彿させた。
いつもよりも深くて濃い、欲望に堕ちきった蒼い双眸。
今思い出してもは股間が熱く、硬くなっていく。
(ベッドまで我慢できそうもねぇな)
「なぁ、時雨さん」
時雨さんの体を壁に押し付けるようにして、逃げ道をふさぎつつ彼の首筋に顔を埋める。
薄い皮膚の上から大動脈に沿って舐めあげると、ほのかな塩味といつもより速い鼓動を舌先に感じ笑みが浮かぶ。
どうやら時雨さんも興奮してくれているみたいだ。
「……ここで一回ヤらね?」
「な、なに言って!」
「あんただって限界だろ」
「ひゃっ!」
硬くなっている恋人のモノをジーンズの上から撫でると、過剰に反応しながらもオレの手に擦り付けてくる。
最近になって気付いたが、どうやらこの行為は無意識らしい。
(指摘したらぜってぇ数日、顔合わせてくれねぇだろうな)
想像したら、羞恥に顔を真っ赤にして、部屋に数週間引きこもってしまう姿が容易にできてしまいなんとも言えなくなる。
(からかってみてぇけど……どう考えても代償が大きすぎる)
他の奴らなら会えなくても、死んでても別に気にならないが、愛しい恋人に会えなくなるのは、フラストレーションが溜まる。
八つ当たりで、どこかの不良集団をぶっ潰してしまおうと考える程度には。
(まぁ、そんなことしねぇけど)
未だに自分の手にモノを擦りつけている時雨さんの服を片手で脱がしつつ、首筋に吸い付く。
思ったよりもくっきりと残った後は独占欲が刺激されて、とてもいい。
「あっ……ナイト……くん」
すりすりと額をすりつけてくる時は、何かを強請っているとき。
普段なら少し迷うが、今なら何を恋人が求めているか手に取る様に分かる。
「今触ってやるから」
時雨さんのジーンズを下着ごと床へ落とし、直接扱いてやるといつもより高い声が濡れた唇から小さく零れた。
見上げてくる蒼い瞳は欲情に濡れ、まるで月に照らされた湖畔のよう。
美しすぎるそれに自分を刻み込みたい。
欲望のまま、大きく見開かれた瞳の表面を舌でなぞった。
「あっ! やっ!!」
反射的に逃げようとする時雨さんの顎を空いている手で掴み、さらに深く舌を這わせると彼は異常な行為を気持ちいいものだと認識し始める。
証拠に、触れていないほうの瞳が深い快感を受けた時と同じようにとろけ、触れているモノはさらに大きくなった。
(最初は痛いって嫌がってたのにな)
少しずつ、感づかれないようにオレが刻み込んだ、無意識の快感。
それに気付かず、甘受してしまうなんて……なんて愚かで愛おしい人なんだろう。
(好きすぎて、壊しちまいそう)
愛しい人の瞳を舐めているうちに、オレ自身も高揚してきたのか、だんだんと息が苦しくなり、視界狭まる。
同時に走るゾクゾクとした悪い刺激が、背徳感や快楽と共に背筋を駆けのぼっていった。
ケンカをしても、強い奴を倒してもここまでの高揚感は覚えたことはない。
まるで、依存性のある甘露のようだ。
「ナ……イトくん」
「んっ……どうした?」
顔を離すと、いつもより頬を赤くした時雨さんと目が合う。
異物を受けたせいか、オレが舐めていないほうの瞳から零れた涙がキラキラ光ってて、なんだか星を見ているようだ。
「えっと……その」
「いつも言ってるけど、言葉にしてくれねぇと分かんねぇよ」
「……」
すりすりとオレの胸に額を押し付けてけた後、物欲しそうな顔で見上げてくる時雨さん。
モノも一緒に擦り付けてるってわかっていないのが、かわいらしくて笑みが浮かぶ。
言うまで意地悪しようかと思ったが、オレも本気で限界なので今日のところは折れてやることにした。
「時雨さん、壁に手をついて」
くるっと時雨さんの体を反転し、ひくついている蕾に指を差し入れると歓喜したかのようにナカがうねり誘い込む。オレの指が動くたび、びくりびくりと震える背中は、じっとりと汗をかいており着ているシャツを濃い色へと変えていた。
「あっ! んん!!」
「気持ちい?」
「んっ……そこ、もっと触ってくださ……あぁん!」
時雨さんの大好きな前立腺を撫でながら、ナカを広げていく。湿った音と共に見え隠れする桜色の内壁はとても優美なのに艶めかしくて、オレを獣へと変化させていく。
「ごめん、ちょっとキツけどいれるな」
「んっ! きて……」
理性が切れかけているのか、いつもより大胆な恋人のナカに自分のを入れる。
「キツ……」
傷つけないよう慎重に、けど一気に奥まで突き入れると、爆発したような強い快感が下半身から全身へと一気に広がり、思わず歯を食いしばった。
嬉しそうに絡みついてくる柔らかい媚肉に今この瞬間も自分の息子が弾けてしまいそうだが、射れた途端に出すのはさすがに男として恥ずかしい。
「動くぜ」
「んぁっ!」
必死に頷く時雨さんのナカをゆっくりと擦り上げていく。
押し入れるときは綻び招き入れ、引くときはいかないでというかのように締め付けてくる。
たまに前立腺をえぐるように突くと、痙攣したようにナカがヒクつくのは本当に堪らない。
「あっ、んん! ……あぁ!!」
「時雨さん、気持ちい?」
「きもちい……きもちいですぅ」
よだれを垂らしながら、こちらを見て惚けた表情を浮かべる姿はそこら辺の女よりも厭らしくて思わず打ち付ける腰が速くなってしまう。
「時雨さん……出る」
「出してくださ……僕のナカに……!」
「っ!」
奥に突き入れた瞬間、熱が弾け時雨さんのナカを白く汚していく。
衝撃で時雨さんもほぼ同時にイッたのか、力を失った彼のモノから白濁したものが滴り落ちていた。
「はぁはぁ……」
「おっと!」
抜いた瞬間、ゼンマイの切れたロボットのように壁から崩れ落ちる時雨さんの体を支える。
触れた手のひらから伝わる熱はいつもより高いくらいなのに、じっとりと汗をかいた背中は冷たくなり始めている。
「風邪ひいちまうな」
力の入ってない体を持ち上げると、安心しきった表情で目を閉じる時雨さんとご対面する。
いつもオレがイったの後は疲れるのか寝入ってしまい、大抵のことはしても目を覚まさない。
もう少し戯れたい気持ちもあるが、寝ている時雨さんに色々できる特権はなんだかんだで気に入ってたりする。
「よいしょっと」
時雨さんを横抱きにすると風呂場へと足を進める。
鏡付きの洗面台と白い洗濯機がほとんどの面積をしめてしまっている脱衣所は、一人で入るのがやっとの狭さだ。
滑らせるように体を入れ、曇りガラスの扉を開けるとユニットバス式の風呂場が現れる。洋式便器の蓋の上に、眠っている時雨さんを下すと、脱衣所に戻り自分のTシャツに手をかけた。
「……ん?」
ふと、視線を鏡へ移すと首に沿うように引っかき傷のような赤い線が数本入っていたのに気づく。
確か、ここに来る前はなかったはず。
「いつのまに……」
そっとなぞると、ぴりりとした甘い痛みが走り、鏡に映る自分の顔が少し歪んだ。
「にしても、どっかで見たような」
記憶を探ると、何故か母親がよく見ている刑事ドラマを思い出した。かいつまんで見た物語の内容を引っ張り出し、あぁと合点がいく。
「殺された女の首にできてた痕に似てんのか」
女性の死因はたしか……。
「……まさかな」
脳裏に浮かんだ馬鹿な考えを打ち消し、風呂場のドアを閉め、恋人の体を抱え上げる。
俯いた時雨さんの唇が、さっきよりも弧を描いているような気がした――。
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