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新しい友達
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暫く、歌を歌っていたテアだったが、
誰かの視線を感じ、
後ろを振り返った。
いつの間にかドアは開いており、
その扉の向こうにひょっこりと白い耳が飛び出していて、
それで隠れているつもりなのかと
可愛らしくて、笑ってしまう。
すると、恐る恐る顔を覗かせて、
チラリとテアの顔色を伺うように出てきたのは、
ウサギの耳を持った白に近い、ピンクの目がくりくりした可愛らしい男の子だった。
「だれ?」
そうテアが聴くと、
「すみません!盗み聞きしようとは思って
無かったんです‼︎
あまりに綺麗な歌声だったから、つい…」
そういい、その少年はしょんぼりと兎耳を垂らした。
その姿に、可愛らしいなとテアはまたクスリと微笑んだ。
「そんなに、あやまらないでください。
僕、テア。
あなたは?」
「ぼ、僕は食事運び係のセシリー・ロプソンです…
お姫様、お邪魔してしまってすみませんでした‼︎」
勢いよく頭を下げるセシリーに戸惑いながら、
テアは怒ってないよと呼びかけ、
暫くしてから、やっとセシリーは顔を上げた。
セシリーはとても可愛らしいうさぎの獣人で、
髪はふわふわしていて誰にでも好かれそうな愛嬌のある男の子だった。
それからはすぐに仲良くなり、
セシリーはテアの食事を持っていくと今日はこんな事があった、
嬉しい事があった、
今日は雨が凄くて洗濯物が出来なくて困ると、
毎日のように些細な出来事を話してくれる。
そんなセシリーに少し羨ましさを感じるが、
とても楽しくて、そんな時間がテアは好きだった。
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