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なんだ、これ
都合のいい夢か?
「……お前、本当に馬鹿なんじゃねぇの」
「……っ、しゅう、へい……ひでぇ、」
グズグズとすすり上げながら、背中を震わせて、新はそう反論した。
「……馬鹿だろ、…お前に好かれる要素なんか俺には無いだろ。」
好きな奴が突然死んで、弱っているところに追い討ちをかけた男を、好きだなんて言うのか。
胸元に当たる背中が、一際震えた。
「……俺も…っ、何でか、わかんない、けど…」
「……なんだ、…それ」
「でも……っ、それでも、……好き……だ。」
新は俺の腕の中で振り向いて、ありったけの力を込める様にしがみついてきた。
好きー、?
お前が、俺を?
「……それは情が沸いただけだろ」
回された腕を引き剥がそうとしても、新は力を弱めなかった。
「……違う……、ずっと、…好きだった…気付いたら…ずっと、」
「……、」
「……あれから、……葬式の日から…ずっと、一緒にいてくれたから…ッ、」
俺の胸元に顔を埋めて、しゃくり上げながら、新はそう言った。
こいつ、本当に馬鹿だ
本当に、どうしようもない。
でも、俺も同じだ。
なぁ、陸人、
俺もう、嘘をつくのをやめてもいいか?
隠し事をやめて、いいか?
新の言葉に答える代わりに、俺もありったけの力を込めて抱き返した。
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