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それは、突然だった。
僕の鼓膜が、懐かしい声に震え──身体を、心を、一瞬で熱くする。
「……愛月(あき)」
もう二度と、聞く事はないと思っていた。低くて、物腰の柔らかい口調。
見なくても解る。
この声は──樹だ。
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