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悪目立ちしたせいで、目線は集まっているけど、なかなか誰も声をかけてこない。
この雰囲気の中で声をかけてくるのは、余程、自信がないと無理か。
場所を変えるかな……
そう思っていた時だった。
「…………俺と寝てみない?」
甘めの低音ボイス。好みなハスキーな声。
差し出されたシェリー。意味は『今夜はあなたにすべてを捧げます』。
すげー気障で自信家な男だな。長い指が妙にやらしい。従順な犬タイプが好きだけど、たまにはいいか。
ゆっくり見上げると、反して、そいつの見た目はクール系の男前だった。
身長は俺と同じ位。艶のある黒髪。高い鼻。薄い茶色の目。洒落たジャケットに長い足。周りがざわつく程の色男。問題があるとすれば、多分年下。
ホテルに着いたら、お互い無言で服を脱ぎ捨てた。ちょうど良い。
セフレって言ってんのに、やたら甘く口説いたりしてくる男は苦手なんだ。
「……お前、いくつ?」
念の為、確認しておく。
「名前より年? あんたはいくつ?」
男がくすりと笑う。
言われてみりゃ、名前すら聞いていなかった。
「質問に質問で返すなよ。26。お前は?」
「……19」
「マジかよ。大学生? バーに来んなよ。未成年」
「あんたこそ随分若く見えるね。で、名前は?」
男に『若い』は喧嘩売られてるのと同じ。落ち着きがないと言われているようで腹が立つ。
「K」
一晩限りの奴には本名なんて教えない。アルファベットで十分だ。
「けい? 俺は瑠衣(るい)」
年下の男は極上の笑みを見せた。
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