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「じゃあ、タイガ。これからよろしく。初出勤は来週の木曜日の18時からな」
タイガは嬉しそうに帰っていった。
「タイガさん、格好良い!」
「イケメンなのに優しいし、気取ってなくて素敵」
「彼女いるのかな」
「今度、聞いてみようよ」
うちの店は女の子が多いから、かなり盛り上がっているようだ。
仕事を終え店を出ると、木枯らしが吹いた。コートのボタンを止め、マフラーをしっかり巻く。
タイガ、格好良くなっていたな……
帰宅すると、マンションの前に誰か立っている。素通りしたら、腕を捕まれた。
「ケイさん」
ケイ……?
聞き覚えのある声。ハッとして、そいつの顔を見る。
黒髪の色男……! 今日の絶不調の原因である。
「お、お前……なんでここに」
「やっぱり気付いていなかったのか。俺、向かいのマンションに住んでんの。いつも、この時間に帰ってくるよね。そこのコンビニで何回か会った事もある。あの時が『初めまして』じゃないんだ」
顔色を少しも変えず、よく利用しているコンビニを指さされた。
――まさか、こんなに近くに住んでいた奴だったとは。
考えていると、肩を抱かれた。
「腰とか平気?」
背中を撫でられる。
「外でやめろよ」
「じゃあ、ケイさんの部屋に入れてくれる?」
腰に手を回されて、耳元で囁かれる。
「俺、ケイさんの事、気に入ったんだ」
見つめられて溜息をつく。
「……悪いけど一晩限り。恋人を作るつもりもない」
「セフレでもいいよ」
男があっけらかんと言う。
「俺は年下は嫌いなんだ」
きっぱり言ってやると、男はスマホを取り出した。
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