アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
10
-
そうこうしているうちに、タイガのバイト始まった。
「今日からよろしく」
「康介先生、バリスタの格好……似合うね」
「先生って言うなって」
「急には変えられないよ」
「……お前もウェイターの制服、似合ってるよ」
「本当? 俺、大人っぽくなった?」
「本物の大人はそういう事、言わない」
「えー」
そういえば高校生の時もよく誉めてくれたっけ。『先生、格好良いね』が口癖だった。今、思い返すとあれは口説かれていたのか。話していると、すれていなかった昔を思い出し、懐かしい気分になる。
真っ直ぐなタイガは恋愛で駆け引きなんてしないんだろうな……
「せ、先生!」
ガッと肩を掴まれ、驚く。
「……なんだよ」
突然の至近距離。動揺を隠しつつ、答えた。
「この跡、キスマーク?」
タイガの言葉にハッとする。
――あの野郎!
瑠衣の仕業だ。ドライそうに見えて、いつ付けたんだ。寝ている間か?
「……恋人いるんだ」
言われてドキッとする。
恋人ではない。でも、セフレだなんて言ったら嫌悪感を持たれそうだ。今は勿論、違うだろうけど、昔、好きだと言ってくれたタイガを幻滅させるのは心苦しい。
「おぅ」
咄嗟に恋人だと肯定。誤魔化してしまった。
「付き合ってどの位?」
「最近……」
ちらりとタイガの顔を見ると、ショックを受けたような顔だった。その表情を見て焦る。
流石に違うよな……?
あれから何年も経っているし……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 22