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9.本当の気持ち
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「春…」
耳元で低く響く声で優しく名前を綾人に囁かれながら、春は後ろから抱きしめられた。
素肌を重ねることによって直接伝わる体温に、春は綾人の存在を感じると、嬉しくて目から涙が溢れそうになる。
「ハルちゃん、泣きそうなの?」
玲に声をかけられ、自分が四つん這いで玲を跨ぐ形になっているため、表情が玲にすべて見られていることを思い出した春は、慌てて首を振った。
「違う!そんなわけ…!」
(喜んじゃいけない。だって、オレは綾人を利用しているんだ。だから…)
「ふーん…」
(そうだ。今しているのは、愛を確かめ合っているわけでも、寂しさを埋めているわけでもない。ただ、コイツに曲を書かせる…それだけのための行為だ)
幾度となく自分に言い聞かせた春だったが、綾人から与えられる感覚、感触、体温、全てが自分のためだけに与えられていると錯覚し、何度も溺れそうになった。
だが、下から見上げる形で見つめている玲の視線が、行為に溺れそうになる春を現実に連れ戻した。
春は玲から目を逸らしながら、自分の秘部を綾人のものに擦り付けるように腰を動かし挑発した。
「綾人…。早く入れて…。それで、とっとと終わらせよ…」
「…分かった」
抱きしめられていた綾人の手が離れていくと、袋を破くような音と、ローションと思われる粘着質な音が春の耳に響く。
「ねぇ、ハルちゃん。なんで人って、セックス…するんだろうね」
首を傾げる玲に、春は声を荒げる。
「なんでって、お前がしろって言ったんだろ!」
「春」
「…アッ!」
綾人はこちらに集中しろと言わんばかりに、春の腰を掴み秘部に自身を充てがうと、そのままこじ開けるように腰を進めた。
「ま、待って!あや…と…アッ…そんな…急に…」
突然訪れた指とは比べ物にならない圧迫感に、春は思わず腰を掴む綾人の腕を右手で掴んだ。
「んっ…や…だぁ…」
綾人によって慣らされていた春の秘部は、綾人の一番太い部分を過ぎると、嫌だと言いながらも、まるで欲しくてたまらないように綾人を飲み込んでいった。
押し返してくるような感覚と、溶けそうなほど熱い内部の感覚に、綾人は眉間にシワを寄せる。
「…っく。春…」
だが、なんとかそのまま腰を進め、春の中に自身を全てを飲み込ませると、綾人は軽く息を吐いた。
「全部入ったみたいだよ。ハルちゃん、どう?どんな感じ?」
玲の質問が耳に届いていないはずはなかったが、春は深く目を瞑ったまま返事はなく、顔を赤らめ、代わりに口から溢れるのは荒れた呼吸だけだった。
「ねぇ、ねぇ、ハルちゃん」
「んぁっ!」
綾人は玲の言葉を遮断するように、腰を前後に急に動かし始めた。
「アッ…んぁ…あや…と…まって…」
「待たない」
春の制止する声を無視し、綾人は乱暴に腰を動かし続けた。
その動きは、いつも冷静な綾人のものとは思えないほど、激しいものだった。
「んっ…あっアッ…ダメっ…あやと…」
いつのまにか綾人を掴んでいた春の手は、逆に綾人に掴まれ、春が無意識に逃げようとする身体を、綾人は無理矢理自分に引き寄せた。
「アッ…あや…と…あやと…」
綾人に掴まれた春の腕は、跡が残りそうなほど強く掴まれていた。
だが、その痛さを遥かに凌駕する快感に、春の頭は真っ白になっていた。
綾人はベットに手をついていた春の左手を、右手と同じように掴むと、玲から引き離すように引っ張り、春を膝立ちの状態にすると、浅く抜くようにしてから腰を強く打ち付けた。
「アアッ…!」
突き上げるような快感が、腰から背筋にかけて走り抜け、その、あまりに強い衝撃に、目の奥で何かが弾けたように、春は叫びながら何度も瞬きをすると、思わず涙を流した。
玲は軽く上半身を起き上がらせ春の両頬に両手を添えると、自分に顔を向かせ、目の奥を覗きこむように顔を近づけた。
「ねぇ、ハルちゃん。綾人君が好き?好きなら好きだって…」
「綾人…が…アッ!」
春が言いかけたところで、綾人は掴んでいた春の腕を離すと、すぐに後ろから片腕で強く抱きしめた。
膝立ちにさせられた不安定な姿勢のまま、綾人は春を下から突き上げるように何度も腰を打ち付け、同時に春自身も刺激し始めた。
「アッ、あっ…!ダメっ!そんなに…したら…!」
今までと比べ物にならないほど、強く、激しく綾人自身を出し入れされ、春はもう何も考えられなくなっていた。
「んっ…アッ綾人…!好きっ。好き…!もう…ぁイクぁッ!アッ、あーッ!!」
春はあまりの快感に、綾人の手に欲望を吐き出すと、そのまま意識を失った。
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