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スラムと少年2
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クローバーを食み、林に流れる小川の水を啜り、限界を訴える身体に鞭打って進んでギリギリまで森に近付いて傍の大きな木に登ろうとして体力の限界が訪れた。
「…」
枝に足を乗せて次の枝、と足を運んだのに、いきなり来た酷い頭痛のせいで踏み外して、今や地面。
もはや声すら出ないし、そんな自分へのコメントも無い。
「にっ…!」
仕方なくほかの木を探そうとしたら左足首に激痛が走る、捻ったりしたかな…
木登りと移動は諦める、日が暮れて、あたりの冷え込みが強まる。
身を隠せる茂みに、地面だと体温を奪われるが葉っぱをできる限り集めて寝床を作るしか出来ない、当然寒い、身に刺さるような寒さ、できるだけ丸くなって暖を取る。
あいつらどこまで来たかな、森だと知って諦めてくれないかな
そんな事を思いながら身を縮めた、寒さと限界からか直ぐに意識が薄れていく
「お…!」
「おい、死んでねぇか?」
「頭!見つけました!!あいつですよ!」
ガサガサと複数の足音、気付かなかった…!
起きようと力を入れるが身体が動けない、掴まれて持ち上げられ、顔を見られた
「…なんなんだよ」
精一杯睨む
「お前、よくもまぁ逃げたな、ガキのくせになかなかなるじゃないか、え?お前潜在能力持ちだろ、その目、間違いないな、高く売れる」
「はっ…非売品だよバカ」
「舐めんじゃねえぞガキ!!!!」
ペッと唾を男にかけると男はキレた。
投げ飛ばされて、木の幹にお腹を打ち付ける、堪らず嘔吐する
痛みで呻くと更に蹴りを入れられた。
また意識が揺れる。
「そこまでだ、貴様ら」
「なんだお前!」
「頭…まずいですよ…」
「あぁ?!」
「私はクラン、シアン・フラウのシアンだ、そちらも名乗るべきだろう、私に名乗れるべき名があるなら、な。」
その場の空気が凍りついたように静かになった、
男共が息を飲むのと、走り去るのはその後すぐだった。
「…息はあるようだ、君、しっかりしなさい」
口元に手を添えられ、浅い呼吸がその人の手にかかると、そっと抱き上げられた。
「いっ…」
「すまない、少し我慢してくれ」
痛みに耐えるためにぎゅっと閉じていた瞼を開けると、汚い汚物のような自分とは正反対な綺麗な格好の彼を見上げることになった。
誰?
メリット
危険
どこかに連れていかれる
「ぅっ…」
どれも声にならない、声に出そうとしたら口から出たのは小さな呻き声だった。
彼の歩幅は広く振動で重く痛む頭がこれ以上かんがえる事を諦めたのか急に瞼が重くなり、聴覚もぼんやりし始める、最後に見たのは彼の心配そうな顔と、所々聞き取れなかったが
「…私は君にとって悪人では無いはずだ、安心しなさい」
俺は意識を失った
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