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蝶 etc
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ーーー少し前ーー
基地に戻るなり、ジーグと酷い身なりだと、シャワーを浴びて、急いでパピヨンの部屋に向かうと、部屋の外には、心配そうな2人が立ち往生していた。
「ただいま、パピヨンは?」
「部屋から泣き声が聞こえて、でも返事をしてくれないの」
「2人ともお疲れ様、村の成果は聞いてるけど、こっちは酷いわ、ドアが開かないのよ」
「私のカードキー置いておけばよかった。」
「お前のはマスターカードキーだもんな」
「初めて他人の部屋に使うけどね」
カチャーー
ドアを開けて部屋に入る、すすり泣きが聞こえるのはメインルームではなく、バス方向。
吐いてしまったのか、独特の匂いもする。
迷わずバスルームに入るとトイレの前にパピヨンが腕から血を流して座り込みぐったりしていた。
「パピヨンッ」
倒れそうなパピヨンを支えて、持っていたハンカチで腕の傷を押さえる。
腕の中のパピヨンが俯いたままか細い声で名前を呼んだ、意識はまだあるし、認識も出来る、パニックって訳じゃないのか。
ミルキーを呼んで、ジーグとアリアは処置室の準備に行った。
パピヨンは震えていた、おでこをそっと触るととても熱く、さらに顔色も悪いようだ。
「ただいま、パピヨン。沢山話したい事があるんだが、今はこの問題を片付けよう」
そういうと、パピヨンはまた泣き出して
「やめて・・・俺に優しくしないで、放り出してよ、お願いだよぉ……っ」
「放り出したりしない、ただ今はパピヨンに優しくはするけど嫌がる事もする、嫌がってもやめない、パピヨンが私達に何か後ろめたい事があるなら罰だと思って受けなさい、無かったら暴れてもいいから」
「ふぇっ…んんっ」
ぎゅっとしがみつくパピヨン、OKって事でいいのかな。
「ミルキー、血が止まらない、抑えてはいるんだけど」
「しゃーないよね、みせて、うーーん、大きい血管は切れてないから下で処置するから、今はまだおさえてて。」
「わかった」
「にしても、嫌な熱さ・・・熱あるよね、頑張ってパピヨン」
ぺたぺたとパピヨンを触って、テキパキと内線でアリアとジーグに必要なものをだしてもらい、物事を進めていく。
「シアン、いこ!」
無言で立ち上がり、寝たのか、気を失ったのか、ぐったりしたパピヨンを医療フロアに抱えて行く。
処置室の台に寝かせたが、反応がないどうやら意識が無い
「あー、とりあえず点滴と、ジーグ、腕テープでいけると思う?」
「良いんじゃねぇか、洗ってから無理そうなら縫えば」
「アタイ縫うの苦手なのよねー!ジーグ無理なら縫うのお願い!」
「あい、あい」
処置が行われている間、たまに震えるパピヨンの手を握ってあげる事しか出来なかった。
「圧迫ありがとう、おかげで血は止まってたよ!テープでいけそう!あ、手洗ったら体温計、シアン頼める?アタイは点滴するからさ!」
「わかった」
手を洗い、押さえていたハンカチを水桶につける、落ちないかな、とりあえず。
体温計を受け取って、寝ているパピヨンの服をずらして脇に挟む、しばらく待つと電子音
「ミルキー39度だ」
「さんじゅーくど?!たっか!!!アリア〜!」
「アイス枕と冷やすやつ持ってくー!」
「あー、アタイ内科じゃないんだよねぇ…ベースが軍医だからさ、熱、明日になっても下がんなかったらちゃんとしたお医者さんに行かなきゃ」
「わかった、ありがとうミルキーも、みんなも、私は今日は残るからみんなは休んでくれ、明日、今日見てきた事を話すよ」
「私がパピヨンに声掛けたけど、ドア越しだったから、もっとグイグイ行くべきだったな、ごめんなさい。私はパピヨンの部屋を片付けたら寝るね、シアンもミルキーも、ジーグもお疲れ様」
「アリア・・・」
「なに言ってんの〜、アリアが泣き声気づいてくれなからったらアタイは爆睡よ!あっはっは!気づいてくれてありがとう〜!アリアのせいなんかじゃないよ、おやすみ!」
「ミルキー、ありがとう〜!」
「あーいじゃあシアン、なんかあったら起こしてね!」
「俺は明日も引き続きキャラバンの長を探すからシアンはついてやってくれ、頼んだ」
「ジーグ、ありがとう」
皆それぞれ別れていく頃には日付は変わっていた。
シアンも椅子に座って、パピヨンの手を握って眠りについた。
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