アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第1話
-
【幼少期】
「おい!朔夜を虐めるな!」
そうやって俺がピンチの時にいつも助けてくれる幼馴染。俺は昔からこの『白雪朔夜』という苗字のせいでいじめられていた。それに付け加えて俺は世で言う中世的な顔だ。面白半分で両親が俺のことを女装させたときに見た自分は本当に女の子の様だった。自分で言うのもしゃくだけど。
俺がいじめられているときに必ず現れるヒーロー。これだけで惚れるには十分ではないだろうか。惚れない女子がいるのならば俺の目の前に出てきて欲しい。
それも、俺の幼馴染は喧嘩も強い!口だけじゃないんだ。いくら、口だけで守ってくれても喧嘩が弱かったらちょっと・・・ん?いや・・・ありだな・・・自分のために身を削ってまでも守ってくれる。うん。よい。
とこんな感じで俺は幼馴染の一ノ瀬彰人に惚れているのだ。同性ということもありこの恋に気づいてすぐに鍵をかけたけど。偽善者。と言われてもいい。彰人が幸せならそれでいいと思っていた。というかずっと一緒にいた幼馴染が実はゲイで自分のことを恋愛として好かれていると知ったら流石に優しい彰人でも俺のことを嫌いになるだろう。それだけは何としても隠し通さねば。
なんて改めて心に誓っていたのにどこからか彰人の耳に入ってしまったらしい。
「朔夜ってさ・・・その・・・。」
何故か聞いていいのかなぁ・・・みたいな困った表情を見せる幼馴染に俺は嫌な予感がした。
そして、その嫌な予感は当たるわけで合って・・・・。
「その・・・男性が好きなの?」
あぁ、俺の人生終わった。好きな奴に知られた・・・・。あぁ、もう、彰人と一緒に居られないのか・・・。
「・・・うん。」
俺は正直に答えた。さよなら、彰人・・・。
心の中で涙を流していると彰人は「そっかぁ」とだけいい黙り込んでしまった。
「その、幼馴染がゲイなんて気持ち悪いよね。ごめん、もう近づかないから・・・」
俺が床を見つめていると彰人は驚いたような声を出した。
「えっ!気持ち悪いなんてそんなこと思ってないよ!恋は自由だし、それに最近は同性婚とかあるらしいし。確かに身近でって言うのは驚いたけど」
そういい優しく微笑む我が幼馴染。こんないい奴に惚れない奴がいるか⁉いないよな⁉なんて葛藤をしていると彰人が思い出したように声をあげた。
「そういえば、朔夜に紹介しようと思ってたんだった。」
そういい、彰人が明後日の方に手招きをすると綺麗な女の人がやってきて彰人の隣に並んだ。
「・・・・まさか」
俺の声が聞こえたのだろう。彰人がにこりと笑っていった。
「僕、彼女が出来たんだ。朔夜には紹介したいなって思って!」
そういい嬉しそうに笑う我が幼馴染。可愛すぎるだろぉ。いや、まって、彼女が出来たということは俺、告白もせずに振られた?というかもともと告白なんてする気もなかったから振られたもくそもないけども・・・・。
「そっ・・・そっかぁ!おめでとう!」
俺は二人を祝福することしかできなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 30