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第2話
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彰人は彼女が出来てからも自分と一緒に帰ってくれていた。俺は流石に彼女さんに悪いと思って初めの頃は断っていたんだけど、『なんで?今まで一緒に帰ってたじゃん。もしかして僕の事、嫌いになった・・・・?』なんて言われたら断れるわけもない。そして1か月後に彼女と別れたと言われた。
もしかしなくても自分のせいではないか?休日は彼女と出かけているといっていたが大学にいる間はずっと俺が彰人といた。彰人が学校で彼女と一緒にいるのを見たことない。
俺が彰人を独占してたせいで別れたのだと思い彰人の彼女に謝りに行った。
今思えばなんでそんなことしたんだろうとか思うけどとにかく俺のせいで別れたのならば俺はこれから先、彰人に近づかない。
彰人には幸せになって欲しいんだ。
彼女に会って話をするとその子は困ったように笑っていた。
「白雪くんのせいじゃないよ?ただ、私は彼を受け止めきれなかった。本当の彼を・・・ねぇ、白雪くん。私は彼を受け止められなかったけど白雪くんならー・・・頑張ってね。」
彼女はそういうと帰って行ってしまった。
「・・・本当の彼・・・?」
彼女の残した不思議な言葉に俺は首を傾げることしかできなかった。
彼女が言った、その『本当の彼』を知るのにはそんなに時間はかからなかった。
たまたま自分が早く授業が終わったので今日は俺が彰人を迎えに行こうと思い彰人の教室に着くと話声が聞こえてきた。
「そういえば、彰人さ彼女と別れたんだって?」
「早くねぇ?」
「あぁ、なんか飽きちゃったんだよね。」
「ひっでー!」
そんな笑い声が聞こえて俺は固まった。
えっ?今の声、彰人の声だよな・・・?それに彰人って言ってたし・・・いやいや、まさか、優しい彰人がそんなこと言うわけー・・・。
「そういえば幼馴染くんとはどうなのよ?」
「あー!あの可愛いゲイくん!」
「朔夜?朔夜はいまでも俺のこと好きオーラ出してるよ?」
・・・・えっ?・・・もしかしなくてもばれてた・・・?
「よく、自分のことを恋愛的な意味で好かれてるってわかってる男と過ごせるよな」
俺なら無理だわ。そういい笑う友人に彰人は言い放った。
「だって面白いじゃん。俺の嘘の言葉で顔を赤くしたり慌てるんだよ?この前なんて俺が『好きだよ』って言ったら顔を真っ赤にさせて慌ててさだから『朔夜は僕のこと嫌い?』って聞いたんだ。」
「そうしたら『俺も彰人のこと好きだよ。』って困った顔で言うんだ。」
あの時は笑いそうになったよ。
「それもう、本当に暇つぶしのおもちゃじゃん!」
うけるー!と笑う彰人の友達。
それに対して何も言わず一緒になってくすりと笑う幼馴染。
そういう彰人に俺は鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けた。
これがあの時、彼女が言っていた『本当の彼』なのだろう。
幼馴染を20年続けてきて今知る俺って・・・っと少し悲しくなった。
「俺の気持ち全部、彰人に筒抜けだったんだ・・・。」
今、ここで俺が自分の教室に戻れば聞いたことをなかったことにできる気がして俺は来た道を急いで戻った。
彰人にとっては面白い玩具でもいいからそれでも近くにいたいと思う俺は本当に―・・・・。
その後、俺は何もなかったように彰人といつも通りに過ごした。その間に彰人は何人もの女の人と付き合っていた。「振られちゃった・・・。」っと悲しそうに言う彰人を慰め、また数日たつと新たな彼女を紹介される。
彰人はたぶん、俺が辛そうな表情を少しでもみたいのかもしれないなんて被害妄想している自分が嫌で仕方がなかった。
そろそろ、自分も彰人ではなく他の恋に目を向けた方がいいのではと思いすぐに行動に移した。
元から俺は中性的顔ということもあり、男から告白されることがあった。
そして俺にも恋人ができた。誰とも長続きはしなかったけど・・・。
自分が今手をつないでいるのは彰人ではないが幸せだったんだ。
今日も恋人とデートをしていた。
今日は俺の誕生日。本当は彰人にどこか出かけないかと誘われたが自分は恋人を取った。
彰人を忘れようと思って付き合ったんだ。ここで彰人に会ったら意味がなくなってしまう。
そう思い、恋人ができたからと断った。
『そうなんだ!おめでとう!今度紹介してね!』
そんなメッセージが送られてきて俺は「今度、紹介するよ」と適当に送りスマホの電源を落とした。
もう、彰人のことは忘れると決めたんだ。
自分に言い聞かせながら痛む胸に気づかない振りをした。
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