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第4話
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あれから1年が経とうとしていた。
「早いもんだなぁ・・・。」
1年経った今でも俺は彰人のことを忘れずにいた。
「本当に女々しい。」
こんな自分に嫌気がさしてくる。
あの後すぐに新たな恋をと走り出したがうまくいくはずもなく。
あぁ、一人だけ・・・その人と付き合っているときは幸せだったなぁ。
俺はこのままこの人と付き合っていると本気で彰人のことを忘れてしまいそうで怖くなって逃げた。
忘れるために恋人を付き合っていたはずなのに。
「本当に矛盾してる」
白雪が困ったように笑うとポストからかたんっと音が聞こえてきた。
「またか・・・。」
白雪がため息をつきながら今しがた届いたものを取り出した。
「毎日毎日、飽きないのかねぇ」
そういい白雪は心の中で涙を流しながら俺は今日届いた封筒を見つめた。
いつからだろうか、妙に視線を感じるようになった。
そしてすぐに封筒が届くようになった。
中身は盗撮された俺の写真と気持ち悪い手紙が毎度同封されていた。
『迎えに行く準備ができたから明日迎えに行くよ』
「マジか・・・。」
今までは『愛してる』『今日の下着はとてもかわいかったね。でもだめだよ?他の人に見せるのは』『今日話していた男誰?他の男と話すなって約束したよね?』『昨日は夜遅くまでゲームしてたから寝坊しちゃったね』『あぁ、朔夜の寝顔かわいかったなぁ』
なんて、四六時中監視されている始末だ。
だけど、監視されているだけだった。
なのに今回は『迎えに行く』だ。
「とにかく荷物まとめないと」
白雪は邪魔にならない程度に必要な荷物を急いでまとめた。
もしかすると自分の持ち物の中にGPSや盗聴器が隠されている可能性があるので持ち歩きたくなかった。
今まで送られてきた写真の中には自宅での写真も含まれていたからだ。
「俺、行く場所ないなぁ・・・。」
でも、行くしかない。
その日から白雪の逃亡生活は始まった。
初めの頃はスマホも持ち歩いていたがなぜか逃げた先のホテルにも封筒が届く始末でもしかするとスマホにもGPS機能をつけられている可能性が大きいと思いそのホテルに捨ててきた。
それが当たっていたようでスマホを捨ててからは封筒が届くことはなくなった。
だから白雪は知らない。
1か月も大学に来ていないことを心配した一ノ瀬がメールや電話を何回もかけていることを
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