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第9話
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「ぐっすりと寝てしまった・・・・。」
今まであまり深く眠っていなかったのと疲れていたのも相まってぐっすりと眠ることが出来てしまった。
そして横を見るとそこには一ノ瀬が寝ていた。
起きてすぐに悲鳴をあげなかった自分に花丸をあげたいぐらいだ。
とにかく起こさないようにゆっくりとベットから出ようとした瞬間に腰を思いきり掴まれた。
「ひゃっ!」
あっ、めっちゃ変な声が出た。
「どーこ行くんだよ。」
不機嫌そうな幼馴染の声に白雪は頭を抱えた。
「もう少し寝てていいのに」
その言葉に一ノ瀬は鼻で笑った。
「ここでもし、俺が寝たらその隙にこの家から出てくつもりなんだろ?それをわかってて二度寝なんかするかよ。」
その言葉に白雪はですよねー・・・と涙を流した。
「ここはセキュリティーばっちりだからストーカーのことは心配しなくていい。」
なんてったってここは入るには指紋が必要だからな!と得意げに話す一ノ瀬に苦笑した。
一ノ瀬の住んでいるアパートは本当にセキュリティーがばっちりなのだ。
アパートの入ってすぐの入口には警備員が24時間体制でいるのはもちろん。中に入るにはその住人の指紋がないと入れないようになっている。なので事前に指紋認証をしないとこのアパートには入れないのだ。
「だとしても、あの人は何をしでかすかわからないんだ。」
初めの頃に送られてきた写真を今でも忘れない。
その写真は一ノ瀬と一緒に撮った写真がたくさん入っていた。
そして、一ノ瀬の顔には鋏でめった刺ししたような傷やペンで塗りつぶしたものがあった。
「とにかく、昨日はありがとう。ということで俺は帰るから」
そういい変える身支度をするとなぜか腕を掴まれた。
「あのさ・・・本当に俺、行かなきゃだから・・・。」
そういい一ノ瀬の手を優しく振りほどこうとした瞬間に「好きだ」
そう一ノ瀬が言った。
「・・・・はぁ・・・・?」
急な告白で思考が停止した白雪に一ノ瀬は向き合ってもう一度伝えた。
「朔夜、お前のことが恋愛的な意味で好きだ。」
その言葉に白雪は困ったように笑った。
「いくら何でもそんなわかりやすい嘘つかなくても・・・。」
「嘘じゃない。本気だ。」
一ノ瀬の言葉に白雪はくちびるを噛み締めた。
「やめて・・・・。」
「やめない。今までお前に対してしたことは決して許されることじゃない。本当に悪かったと思ってる。朔夜、お前が俺の目の前から消えてわかったんだ。」
「・・・・聞きたくない・・・・!」
白雪が耳をふさぐ手を一ノ瀬は優しく外した。
「俺は朔夜のことが好きだ。」
その言葉に白雪は涙を流した。
「ねぇ、彰人・・・玩具にだって感情はあるんだよ?そんな思ってないことを言わないで・・・もう・・・・つらいんだ・・・・・。」
「そんなに俺を苦しめて楽しい?」
涙を長いながら微笑む白雪に一ノ瀬は固まった。
「ちがっ!」
「何も違くないよ。」
白雪は一ノ瀬の掴んだ手を振りほどいた。
「彰人は自分のおもちゃが無くなって少し残念なだけだ。だから、俺が欲しかった言葉を言えばまた戻ってくるって思ってるんだろ?」
だけど、もうそろそろ開放してほしい。
本当に辛そうにそういう白雪に一ノ瀬は何も言うことが出来なかった。
そして今度こそ白雪は一ノ瀬の家から出て行ったのだった。
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