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ラムネ雪7
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「あっ…」
何をそんなに怖がることがあるのか…
相手に敵意はない。何も怯えることはない。
雪は、そう感じて体の力を抜いた。
それをナツキはわかっていた。
長い親指の腹が、雪の唇をゆっくりなぞる。
「なっちゃん…?」
雪が、ナツキの名前を不安そうに呼ぶ。
ナツキの指が唇から離れて首筋をなぞっていく。
「…?」
こそばゆくて雪は視線を逸らす。
逸らした視線の先は、ナツキの妙に浮き出た鎖骨。
色白で、服の隙間から見えていた。
「ゆきちゃん」
低く何か重要な意味があるような声で呼ばれる。
「?」
再び視線をあげた雪の視線を何かが、かすめ見たのは一瞬で、雪の思考には、なにも止まらなかった。
気づいた時には、ナツキと雪の唇は重なっていた。
どのくらいの長さかは分からない。
ゆっくり時間が過ぎていくような気もしたし、目まぐるしく時が過ぎていったような気もした。
ただ、唇が離れていく時は、写真で1秒毎を切りとったかのように雪の頭に映像が残った。
雪の記憶の最後は、ナツキが寂しそうに微笑んだ静止画で終わっていた。
「僕にキスされて気持ち悪い?」
ナツキの表情は、心ない言葉で傷つけられた時のような表情をしていた。
愁いというか、悲しいというか…
どこか寂しそうでもあった。
こんなに複雑な表情を雪は知らない。
だから、どうしてもナツキの心情を察することができなかった。
「…」
どうしてそんな表情をしているの?
そう尋ねようとしたが、ナツキがそれを望んでいない事だけは分かった。
だから、尋ねることができなかった。
その代わりにナツキの問いに素直に答えることにした。
「いいや」
雪は首を横にふる。
すると、ナツキは息を吐きながら安堵をして『…よかった』と言った。
その言葉が、ナツキの心の蟠りを少し解いたように思えた。
「じゃあ…今度はエッチなやつ」
「?」
その意味がわからず、近づいてきたナツキを避けない。
そのまま唇が重なる。
先ほどとは違い、ナツキは角度を変えて深く重なる。
「!?」
雪は驚いてビクッと肩を震わせた。
驚いてナツキの肩を押してしまうが、彼は動かなかった。
雪が混乱していると、何か得体の知れないものが口腔の中で蠢いている。
温度の違う柔な何かが、雪の歯列の間を割って、今まで感じたことのない柔らかなものに触れる。
更に角度が変わり、クチュクチュと唾液の混ざる音がして、柔な生き物のような何かが感じたことのないゾクゾクした感覚と、思考を鈍らせていき、どんどん体から力が抜けていく。まるで、特殊な毒を持っているかのようだった。
混乱した雪が、柔なそれがナツキの舌だと気づいた頃には、毒が巡ったように力が抜けて床に背中をついていた。
「っはぁ…」
ナツキが唇を離す。
床に仰向けになる雪は、恍惚としていた。
「ゆきちゃん」
ナツキの瞳が鋭くなる。
唾液で艶やかになった唇は、果実のように瑞々しい。
「…んっ」
ナツキは、雪の着ている服の裾から手を滑り込ませた。
薄い腹部から、息を吸う度に上下する肋骨をなぞって、胸の突起をかすめる。
白い滑らかな肌は、主に柔らかな皮膚に覆われていて硬くない。
男らしい筋肉の襦袢ではなく、キメの細かい皮膚と浅い脂肪に覆われている。
成人した男らしい体系ではない。
かといって、女性らしい脂肪に覆われた肉襦袢とも異なる。
成人した男性としては筋肉量は少ない。ただ、無駄な脂肪もない。
端的に言うなら、少年の体型に近いだろうか。
そう思ったら、いたいけな少年をこれから犯そうとしているかのような、背徳感にナツキの理性がグラグラと揺れる。
あえて下劣な表現を使うなら『合法ショタ』というやつかもしれない。ただ、ショタという言葉がぴったり当てはまるほど、雪は童顔というわけでもない。
ナツキが勝手に思って、興奮する分には自由なので、勝手にそう思っておくことにする。
まだ誰もその美しさに気づかない。
滑らかで上質な絹のような肌は、新雪のように白く、ナツキの指が張う場所が痕にならないか思わずじっと見入ってしまう。
柔らかな肉質と骨格を確かめるようにゆっくりと上がっていくと、新雪に1つの花弁が落ちるかのように鮮やかな色の乳頭が目に入る。
ナツキは鮮やかな色合いにゴクリと生唾を飲み込んだ。
自らの心臓が激しく脈をめぐる。
美しいものを汚したい、真新しいものを傷つけたい。
破壊的な衝動がある一方で、そんなことをするのは悪だ罪だと宣う自分がいる。
こんな拮抗した胸の高ぶりをナツキは感じたことがない。
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