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一限が終わって、二限も終わって、いつの間にか午前の授業は全て終わっていた。
その間、俺は授業も聞かず遠く前に居る雅也の後ろ姿をただぼーっと見ていただけ。
…それだけ。
「なぁなぁ、なんか雅也の奴浮かれてね?」
そう俺に問いかける彼は山之内海斗(ヤマノウチ カイト)。俺の斜め前の席のやつで、この数ヶ月で仲良くなった。
「…彼女、出来たんだって」
言いたくなかった言葉をポーカーフェイスで淡々と話す。
「まじかよ!くっそ俺も欲し〜」
こんな会話が出来るのが普通の友達なんだろう。
素直に祝福できない俺は、やっぱり普通ではないのだ。
あぁ、苦しい。
「あ、あの……類くん、ちょっといいですか…?」
少し物思いにふけていたら赤面した女の子から誘われた。
…告白か。
自慢という訳でもないが、俺は人より飛び抜けた顔をしているとは思う。
今からのを含めれば告白された人数は軽く30人を超える。
そして、それは同級生に限らず年下年上色々な人から。
それでも俺の答えは既に決まっているというのに、
「えっと、来てくれてありがとっ…わ、私ね入学式の時に階段から落ちそうになって…それを類くんが受け止めてくれて、覚えてないかもしれないけど私にとっては、類くんが本当の王子様みたいに思えたの…。それからずっと好きでした!私と付き合ってくれませんか?」
…可愛い、と思う。
でもそれだけ。あいつを超えるようなドキドキがない。
_ あぁ、でもそうだった。
あいつは彼女を作ったんだった。
それなら、もう、いいか。
「…いいよ、付き合おう」
「あ、そうだよねごめ………………ってえ?!?!付き合うって言った、、?」
「うん、付き合おうか。君はえっと…」
「あ、相沢結衣(アイザワ ユイ)です!隣のクラスで…」
相沢、さん。
この子なら俺は、あいつへの思いを減らせるかな。
「携帯持ってる?インツタ交換しようか」
「はい!!!」
きっと、これが"普通"
「じゃあまた帰りにね」
「はい!!!」
ごめん、相沢さん。
俺のために利用されてくれる?
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