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よん
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北棟の四階隅にある会議室には基本鍵がかかっていて、生徒会長がもつ専用の鍵か用務員さんがもつスペアキーでないと開かないようになっている。
だから、早くに来すぎた俺は廊下で待ってなきゃいけないのに
「あれ?もう電気が…」
会議開始時刻より10分も早くに来たのにもう誰かが居たみたいだ。
ドアを開けると案の定、鍵をもつ会長が椅子にもたれかかっていた。
「会長、早いんですね?」
「そういうお前もな、俺は風紀に回す書類作りで早めにこなきゃいけなかったんだよ。お前は?」
「特に理由は。ただ少し時間が余ったので」
「ふーん…まぁいいや、来たんなら手伝えよな?」
「…はい」
「何その不満そうな顔、ほら頑張れー」
「はぁ……」
_ この会話を聞いてわかる通りうちの生徒会長、櫻井優真(サクライ ユウマ)会長は、ちょっと…いやだいぶだらしない。自由奔放で、本当は生徒会長なんてめんどくさい役職やりたくなかったらしいけど、会長になったら授業の免除が適応されると知って渋々なったらしい。
それでも持ち前の美貌と人望は会長になってからも衰えることはなく、俺も人よりモテると思ってはいるけどこの人に勝てるとは思えない。
まぁ、とりあえず書類まとめよう…
ってパチパチとホッチキスで止めていた時
「やほやほー!」
_ 他のメンバーが来た。
このおちゃらけた喋り方は、2年の弥生胡桃(ヤヨイ クルミ)先輩。
名前だけだと女の子だが実際は男。
でも肩まで伸びた髪に、大きな目、背も160cm台でちっちゃいところを見ると男からもモテるという噂も本当のように思える。
「あれ?類ちゃん早いねー!」
「弥生先輩はいつも通りですね…じゃあ会議の準備してきますんでこの書類、会長がしてください」
「は?!俺嫌なんだけど」
「知りません」
俺はこの生徒会で1番年下、つまりは立場が一番低い。
だからといって他の先輩が横暴な態度を取っている訳では無いし、むしろとても良くしてくれている。
だけど、こういった準備は下っ端の俺がやるものだと思う。
そしてその癖に俺は先輩である会長にあんな態度を取っている。
それはこの生徒会の雰囲気がそうさせたと言っても過言でないだろう。
全員を平等に扱って、後輩が先輩に楯突くことを許される空間。
良くいえばアットホームな空間。
そんな生徒会が
「居心地、良いんだよなぁ…」
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