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「おーい、もう準備できたか」
「あ、はい!」
…いけない、ぼーっとしてた。
「んじゃ、会議始めんぞ」
その会長の一言で俺が準備してる間に来ていた他のメンバー達の背筋が伸びる。
渋々とはいえ、さすがは生徒会長。
現実的に、でも生徒に不満がたまらないように、言葉を選んでいる。
「……で、最後のこれだが…」
そこで初めて会長が言い留まった。
なんだ、?と思って横目に書類を見てみると
【 体育祭の実施について 】
体育祭?別に"例年通り"って一言いえばいいのに…
「…今年から体育祭は少し趣向を変える、と理事長から連絡が来た」
_ 一瞬で空気がザワザワとする。
「どんな風に?」
そう問いかけるのは2年の宝生冬弥(ホウショウ トウヤ)先輩。
冬弥先輩の祖父さんは某有名高級ホテル創業者で、冬弥先輩は後々の後継者…つまりは大金持ちのお坊っちゃん。
そんな彼がどうしてこんなちょっと偏差値が高いだけの普通の公立高校に居るのかは不明だが、一説には生徒会長の優真先輩と幼なじみでしかも冬弥先輩がかなり会長にべったりらしく有名私立の受験を蹴ってこっちにきた、と噂されている。
「詳しいことはまだ。でも生徒会を全面に出す出し物を考えている…とは言われた」
会長が大きくため息をついたのがわかる。
面倒くさがりの会長の事だし、そんな疲れることしたくないんだろうな
「はぁ、めんどくさーい」
同じくため息をついたのは弥生先輩。
この生徒会は揃いも揃って全員(自分を除く)が面倒くさがり。
よくこれで成り立つな…と関心を覚えるほど。
「僕、理事長に直談判しよーかな。めんどくさいんでいつも通りにしましょーって」
「あの理事長が俺らの言うこと聞くと思うか?」
「んぅ…確かにー」
「弥生、覚悟決めるんだよ。優真だって俺だって嫌だけどめんどくさいのは生徒会に入った時点で分かってたことでしょ?」
「…冬弥が正論ばっかいう……類ちゃん助けてー!」
「え?!」
突然俺に火の粉が降りかかる。
「こら弥生、類困ってんだろ」
「会長…」
こういう時だけ先輩面するの狡いと思う。
「はい席戻る」
「ぶぅー!けち…」
「あいつは後で絞めるとして…今日の会議は以上。なにか質問は?」
「ありません」
「なーい」
「なし」
「よし、じゃあ終了。早めに教室戻れよー」
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