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じゅうはち
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「…俺の席からお前の教室丸見えなの」
そう言って俺の腕を引っ張って生徒会長の席へと連れてこられる。
どういうことだ、と思ってそこから窓の方を見てみたら…
驚きで涙も引っ込んだ。
「え…あそこって俺の」
その窓から見えたのは俺の教室で、しかも俺の席が丸わかりだった。
「だからお前が前の方の奴を見てたのも知ってるし、夢見心地の顔をしたと思ったら急に我に返ってため息ついてたのも知ってる。全部知ってんだよ、バーカ」
おでこにコツンと指が当たる。
その時の会長の顔が悲しそうで、でもどこか嬉しそうで、何だか儚くて、目を逸らせなかった。
「ぁ……かい、ちょうはどうして俺の席見てたんですか、?」
窓から見やすいとはいえ俺の教室以外にも見える場所は沢山ある。
「さぁ、な…いつかお前がその理由に気付いたら教えてやるよ」
俺が教えて欲しいのに、それに自分で気付けって…?
ど、どういうこと…
「…ま、俺の話なんてどうでもいいだろ」
明らかにこれ以上話すつもりは無いって線引かれた。
俺は会長のことでもういっぱいいっぱいなのに、これ以上何か考えろなんてもう、無理ですよ…
「…あ」
きっとこれは始まりのチャイム。
「どうすんの、戻るか」
会長と居るのは気まづい。それに今日は雅也が居ない。教室には行きやすい。
…だけど
「ここに、居たいです」
なんでだろ、今戻ったら遅刻で済むのに。
ちゃんと真面目に授業受けて、良い点とって、これからのこと考えたら出ないとダメなのに。
会長と居ると気まづいって今思ったばっかなのに、まだこの人と一緒に居たいなんて。
思考回路がおかしいにも程がある。
俺、ほんとにどうしたんだよ。
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