アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
にじゅうさん
-
「で、何を決めれば」
てか会長と一年坊の俺だけで決めていいものなのだろうか。
冬弥先輩も弥生先輩も居ないけど。
「買い出し行ったろ」
「はい」
「その弾幕に書く文字、決めなきゃいけねぇの」
「…それを俺たちで?」
「そ、でなにか案は」
「いやいや!先輩達いなくていいんですか?」
文字を決めるのは確かに必要だけど、その場に冬弥先輩や弥生先輩が居ないのはダメじゃ、?
「あいつらがいたから今日の会議進まなかっただろ」
「いやあなたも面倒くさがってましたよね…」
「…知らね。ま、そんなわけで二人で決めましょーってことよ」
シラを切り通すつもりだな…
ここであーだこーだ言ってもしょうがないか。
「…分かりましたよ」
「類ならそう言ってくれると思ったんだよ。で何か候補出して」
「ちょっ待ってくださいよ。ええっと…」
会長は調べないんだ…とか心の中で悪態を着きながらスマホで《かっこいい 体育祭 横幕》で調べる。
「うーん…やっぱり熟語が多そうですね。一致団結とか必勝、不死鳥とかも」
「多い…それだと他の学校と同じじゃんか」
「まぁ今の時代スマホで何でも出てきますからね。むしろ他と被らない方が難しいですよ」
「……面白くねーな」
そう言ってニヤッと笑った会長を見たら悪寒が止まらなかった。
あれは何かとんでもないことをしでかそうとしてる目だ。
「か、会長?普通にやりましょうよ、ね?」
「あ?」
「なんでもないです…」
きっと会長の事だ。とんでもなくお金を使うことをしようとしてる気がする、、
現実的に無理なことでも出来ちゃうよなぁ。
「…こういうのはどう?」
_その後、会長が言うには横幕は筆風に熟語を書く。それは例年同様。
だけど今年は1クラスで1つ、縦が3mほどのオブジェを作るらしい。
「え…っと、本気で言ってます?ただでさえ1年は種目の練習と設備の設置もありますし、2年生は確か飯店するんですよね?保護者がお弁当を作る手間を省けるようにって。3年生は応援団や途中の劇だって…そんな中でオブジェなんて作る時間…」
「じゃあ1クラスで1つじゃなくて学年で1つにしよう。それなら他と差がつくし学年通しの仲も深まる。一石二鳥だろ?」
「いやだから時間が」
「金なら俺らが用意する、少し忙しくなるだけさ」
頬杖をつきながらそう言う会長。
いやいや…とは思いながらももう会長の中では決定しているようだったし、俺自身少し楽しみに思った。
「…ふぅ、じゃあ今年は学年で1つオブジェを作るということでけって……っていちばん重要な横幕の文字決まってないじゃないですか?!」
だめだ、話がズレてすっかり忘れてしまってた、、
今日の目的は横幕!!
「あぁ…不死鳥でいいんじゃん?今まで文字だけだったのが絵もついててカラフルになる」
「適当な……時間は、もう5時…もうじゃあそれで決定にしますか」
「はーいじゃあ今日の特別会議は終了」
「お疲れ様です。会長はまだここにいますか?」
「いや、もう帰るよ。待っててくれ」
「はい」
…と言われて、会長を待っている訳だが、どうして俺は会長と帰っているんだろうか。
別に一緒に帰る必要なんてないのに。
でも、嬉しい。
…会長はどうなんだろう。
少しは俺のこと…
「…妄想も程々に」
希望なんてない。雅也の時と同じだろ?
ただ思うだけ、それだけ。
それだけが俺にはお似合いだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 34