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愛を無視する世界 < Side 歌護
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繁殖能力が欠如した人類。
女性という性別が失せ、子供を身籠れるのは、世に数%しかいないΩだけとなった。
βの繁殖能力も退化し、無性化してきていた。
政府は、数少ないΩを捕らえ、管轄下に置いた。
人間の絶滅回避に躍起になっていた。
バース性が判別されるのは、13歳を越した頃だ。
子供は、政府管轄施設でしか産まれない。
施設で生まれた人間は、全て身体のどこかにIDと名前が刻まれている。
そのIDにより、人々は政府に管理されている。
バース性が判断できるまでは、政府管轄の施設に囚われる。
その中で一部のαは、さらなる英才教育を受け、その他のα及びβは、世に放たれる。
Ωは、一生施設を出るコトは、ない。
その施設では、子供たちの教育が行われる傍らで、強制的な繁殖が行われている。
政府は、囲い込んだΩを繁殖の道具として利用する。
まるで、人を製造する工場のような空間。
そこに愛はなく、ただαの欲望の捌け口とされるΩたち。
この世を動かしているのは、英才教育を受けた一部のαだ。
上流階級のαが、この世界を支配している。
絶滅の危機を救えるのは、子を産めるΩだけなのに。
Ωは、単なる繁殖の…、絶滅回避の道具として扱われている。
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